タイヤについているヒゲは「スピュー」!スピューの必要性とは?

タイヤのヒゲは何か
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タイヤにできているヒゲの正体は?

タイヤにできているヒゲは「スピュー(spew)」と呼ばれています。直訳すると「吐く」「吹き出す」という意味です。また、スラング的な俗語では「怒りをぶちまける」という意味もあります。実は、この名前の由来こそがタイヤにヒゲができる原因です。

タイヤは最初から円形で作られているわけではありません。いくつかの部品に分けて製造して、最後にあの形になります。

タイヤの原料は天然ゴムや合成ゴムです。そこにタイヤの性能を向上させるためのカーボンや硫黄などが配合されています。タイヤの黒い色はカーボンの色です。

タイヤの部品は大きく分けて、「トレッド」「カーカス」「ビードワイヤー」の3つがあり、カーカスを保護するのが「サイドウォール」や「ショルダー」です。

トレッドはタイヤの接地面であり、板状に形成されます。カーカスは繊維にゴムを練り込んだものであり、いわばタイヤの骨組みです。ビードワイヤーはホイールと組み合わせる部分で、ピアノ線にゴムを練り込んで作られます。

これらの部品を貼り合わせるとタイヤの形になりますが、この時点ではまだ溝がありません。その後、モールドと呼ばれる型に入れて加熱し、内側から圧力をかけます。いわゆる「加硫」です。

モールドのトレッドが接する面には、トレッドパターンや刻印が施されており、加硫と同時にタイヤへ刻まれて、ようやく溝ができます。加硫の温度は200℃近くにもなり、白い蒸気が上がるほどです。

このとき、均等に圧力がかかるように、モールドには無数の穴が空いており、内部の空気やゴムの気泡を外に逃がせるようになっています。しかし、この温度ではゴムも柔らかくなっているため、圧力がかかると同時に穴へ入り込んでしまいます。これがヒゲの正体です。

空気を逃がすための穴に吐き出したり、吹き出したりするようにゴムが入り込むので、スピューと呼ばれるようになりました。

もし、空気を逃がすための穴がないと、均等に圧力がかからず、偏りのあるタイヤになってしまいます。これでは走行中に異常な高温になったり、破裂したりするかもしれません。安全性を確保するためにもスピューの存在は欠かせないわけです。

なお、モールドの中には違う方法で内部の空気を逃がし、スピューができない仕様のものもあります。ただし、使われるのは主に高級タイヤが中心です。

ちなみに加硫にはもう1つ、ゴムに弾力性を持たせるという目的があります。名前のとおり、ゴムと硫黄の化学反応です。

本来、ゴムは一度引っ張ると伸びたままになってしまい、縮むことはありません。けれども、硫黄を混ぜて高温で加熱すると、分子が網状に絡むようになって、伸ばしても縮むようになります。タイヤの弾力性は、この伸ばして縮むという性質を活かしたものです。おかげで1t近くある車体を乗せても、簡単には潰れません。

一方で加硫したゴムは、水分に長時間つけると吸って膨れてしまったり、暑いと変形したり、寒いと硬くなったりするという欠点も加わります。ゴムなら何でも加硫すればいいというわけでもありません。

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スピューは事前にカットされている!

加硫直後のスピューは30mmほどの長さですが、冷却した後に機械で短くカットされます。そのため、店頭で見かけるときは長くても10mm程度です。機械で短くできなくても、検品の際に長いのは1本ずつカットされます。

完全に取り除けないのは、刃物でタイヤを傷つける恐れがあるからです。タイヤに傷がついてしまうと、売り物にならないだけでなく、そこから劣化する恐れがあります。特にトレッド面は溝が彫られているので、傷によって安全性が損なわれるかもしれません。なので、どうしても多少のスピューは残ってしまいます。

スピュー自体は、車の走行にほとんど影響はありません。もちろん、突起物であることには変わりないので、摩擦が生じたり、ロードノイズが大きくなったりする可能性はあります。

プロのレーサーなど、走りを追求する人は、1本ずつニッパーなどを使って切っているほど です。また、モーターショーで展示されている車も、見映えを良くするためにタイヤのスピューをカットしています。

そこまでしなくても、普通に運転する分には、気にならないでしょう。むしろ、無理に取ろうとしてタイヤを傷つけるほうが、ずっと危険です。

また、車を走らせているうちにスピューは削れて見えなくなります。新しいタイヤを購入した直後は慣らし運転をして「皮むき」を行うでしょう。そのタイミングでスピューも一緒に削られるはずです。

なお、ホイールとの接合部にスピューが残っていると、タイヤを組みつけたときに噛んでしまいます。もちろんスピューは細くて小さいので、ほとんど影響はありませんし、タイヤの空気も抜けません。

けれども、ホイールが腐食したときに、スピューがある部分から密着性が低下するでしょう。そのため整備工場で、タイヤの交換や入れ替えをしたときは、サービスでスピューを切ってくれることがあります。

トレッドと違って路面から離れているので、このような部位のスピューは長く残ったままです。気になるようであれば、お願いしてみましょう。

ちなみに、オーストラリアではスピューがあるタイヤのほうが喜ばれます。なぜならタイヤが新しい証拠だからです。

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スピューが気にならなくても「皮むき」は必要?

新しいタイヤを購入した直後は、一定期間慣らし運転をして「皮むき」を行ったほうがいいといわれています。タイヤのコンディションを良くするために、スピューが気にならなくても、やらなければいけないようです。

加硫した直後のタイヤは、ゴムに配合された化学物質が表面に出てきたり、モールドから抜きやすくするための離型剤が塗られていたりするなどして、薄い被膜ができています。これが残ったままだと、タイヤは本来のグリップ性能を発揮できないため、慣らし運転をして皮むきをしなければいけません。

また、タイヤは先述のとおり、複数の部品を貼り合わせて作られます。加硫によって、その結びつきは強くなりますが、必ずしもなじんでいるわけではありません。そこへ高熱が加わると、バラバラになってしまいます。

特に路面と接するトレッドがはがれてしまうかもしれません。そのまま走り続けるのは大変危険です。慣らし運転をして徐々に熱を加えていけば、耐久性が上がって、このような事態を避けられるでしょう。

皮むきが終わるまでやってはいけないのは、急発進や急ブレーキ、急な加速や減速、悪路を走る、スピードを落とさずに急カーブを曲がるなどです。100~200kmくらい走るまでは、舗装路で丁寧な運転を心がけましょう。

特に新品のスタッドレスタイヤは、皮むきが終わっていないと、雪道や凍結した路面で滑って役に立ちません。遅くても路面が凍る1ヶ月くらい前には購入して、慣らし運転を済ませておきましょう。

終わるころにはスピューもあらかた落ちているはずです。

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まとめ

タイヤのヒゲは「スピュー」と呼ばれ、製造過程で金型に入れたタイヤに高温で圧力をかけるときに、副産物として作られます。またスピューは、工場の機械・検品の際にカットされており、走らせているうちに自然と取れるものです。

もし、スピューがついていても車の走行性能に影響はありませんので、無理にとる必要もありません。

トップランクでは中古の輸入車を販売するだけでなく、点検やメンテナンスなどのアフターサービスも行っています。タイヤで気になる点があれば、気軽にご相談してみてはいかがでしょうか。

 

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