近年のガソリン価格の高騰に対して、下記のように感じている方も多いのではないでしょうか。「毎回の給油が家計に大きな負担となっている」「ガソリン代の補助金がいつまで続くのか不安に感じている」
現在も政府はガソリン価格の負担を軽減するために補助金制度を実施しています。ただし、いつ終了や縮小が行われるかわからないため、補助金の最新情報を把握し、今後のガソリン価格の動向に備えることが重要です。
そこで本記事では、ガソリン補助金の基本的な仕組みから補助額の最新情報、さらには補助金の期限や今後の動向、突然の補助金終了に備えた具体的な節約方法や車の維持費の見直し策まで幅広く解説します。
補助金の現状を正しく理解し、ぜひ日々の燃料費節約の参考にしてください。
目次
ガソリン補助金とは？基本と仕組みを解説
まずは、ガソリン補助額の基本を押さえましょう。
- ガソリン補助金が実施されている背景と目的
- ガソリン補助金の基本的な仕組み
- 補助金の対象となる油種と補助額
ガソリン補助金が実施されている背景と目的
ガソリン補助金は、どのような社会情勢の背景があり、どのような目的で導入されたのでしょうか。
ガソリン補助金実施の背景
ガソリン補助金が導入された背景には、当然ながらガソリン価格の高騰があります。とくに、2022年以降ガソリン価格が大幅に上昇しましたが、その原因は以下のような複数の要因が重なったことであると考えられます。
- ロシアウクライナ戦争などの世界情勢：戦争や国際的な緊張で価格が不安定になっている
- 原油価格高止まり：世界的に需要が回復しているものの供給が追い付かない
- 円安による輸入コスト増：円安のためドル建てで取引される原油の輸入価格が上昇した
- OPECプラスによる減産の影響：主要産油国が供給量を意図的に絞っている
ガソリン補助金の目的
ガソリン補助金の目的は、産業や国民生活の受ける打撃を和らげることにあります。具体的な狙いの一例は、以下の通りです。
- 一般家庭の負担軽減：ガソリン価格は通勤・通学・買い物など日常生活に影響
- 地方在住者の生活支援：公共交通が発達していない地域では、車は必需品
- 物流・農業などの安定：物流や農業は大量の燃料を使うため運賃や農作物の値上げに直結
- インフレ抑制と経済の安定：ガソリン価格が上がると物価全体も上がる傾向にある
このように、ガソリン補助金は、生活と経済の両面を支える目的があるのです。
ガソリン補助金の基本的な仕組み
ガソリン補助金の基本的な仕組みを見ていきましょう。ガソリン補助金は、どのような流れで補助を行うものなのでしょうか。
卸売価格を下げて、小売価格に反映させる仕組み
補助金は、ガソリンスタンドなどの小売店に直接支払われるわけではありません。仕組みは次のような流れになります。
- 政府が原油の仕入れ・製造を担う石油元売り会社に補助金を出す
- 元売りはガソリンを安く卸せるようになる
- 卸売価格を抑えられることで、ガソリンスタンドの販売価格（小売価格）も安くなる
このように、ガソリン価格を間接的に引き下げることで消費者への補助をしています。
表示価格には補助金が含まれている
ガソリンスタンド店頭には、基本的に補助金が反映された後の金額が表示されています。なお、価格については以下の点に注意が必要です。
- 原油価格の変動でガソリン価格も上下
- 元売りから安く仕入れても、どの程度販売価格に反映するかは各店舗の判断
- 地方か都市部かで価格競争の程度が違い、補助金の反映の仕方に差
このように、補助金は全国一律の制度ではあるものの、市場の動きや地域の事情でも価格差が生まれることがあるのです。
補助金の対象となる油種と補助額
自動車ユーザーにとって気になるのは、自分の給油する油種が補助金の対象になっているかどうかではないでしょうか。この項では、対象油種に加えて、補助額についても解説します。
補助金の対象となる油種
資源エネルギー庁の発表によると、補助金の対象となるのは以下の5つの油種です。
- ガソリン（レギュラー・ハイオク）
- 軽油
- 灯油
- 重油
- 航空機燃料
補助額の上限
油種ごとの補助額の上限は以下の通りです。
| 油種 | 補助額 |
| ガソリン | 1Lあたり10円 |
| 軽油 | |
| 灯油 | 1Lあたり5円 |
| 重油 | |
| 航空機燃料 | 1Lあたり4円 |
参照：新たな燃料価格支援策（燃料油価格定額引下げ措置）について｜経済産業省
ガソリン補助金はいつまで続く？
ガソリン補助金は、世界情勢による燃料価格高騰で産業や国民生活の受ける打撃を和らげる目的で設けられました。そのため原油価格が落ちつけば、ガソリン補助金も終了することは大いにあり得ます。
そこでここからは、ガソリン補助金はいつまで続くのか以下の2つのポイントで解説します。
- 2025年6月現在のガソリン補助金の期限
- 「暫定税率の扱い」と「トリガー条項」
【2025年6月現在】のガソリン補助金の期限
2025年6月現在、現行のガソリン補助金の期限はあるのか、あるとすればいつ頃までと見込まれるのかなどを、政府発表などを基にお話ししていきましょう。
資源エネルギー庁はガソリン補助金がいつまで続くのか、政府公式サイトで次のように発表しています。
| 「いわゆる『ガソリンの暫定税率』の扱いについて結論が得られて、それが実施されるまでの間、続きます。」 |
つまり、ガソリン補助金がいつまで続くか、明確な日程は決まっていません。今後も最新情報を継続的にチェックすることが重要です。
「暫定税率の扱い」と「トリガー条項」
ガソリン税には、本来一時的なはずが恒久化している「暫定税率」という上乗せ部分があります。そして、ガソリン価格が高騰した際に、この暫定税率の課税を自動的に停止する安全装置が「トリガー条項」です。（発動条件：全国平均小売価格が3ヶ月連続で160円/L超）
しかし、このトリガー条項は2011年の東日本大震災以降、復興財源を確保するために現在まで凍結されたままとなっています。政府は、この凍結されたトリガー条項の解除や、暫定税率自体の見直しといった税制の根本的な結論が出るまでの間、現在のガソリン補助金を継続する、という方針を示しています。
ガソリン補助金終了・縮小に備える！個人でできる対策と車の維持費見直し
ガソリン補助金がいつ終了または縮小されるのか明確ではありません。
そこでここからは、個人でできる対策と、車の維持費見直しについてお話ししていきましょう。
- 日常でできるガソリンの節約
- 車の利用頻度や移動手段の見直しも検討
- 燃費の良い車への買い替えも有効な長期的対策
日常でできるガソリンの節約
実は、毎日の運転やメンテナンスで燃料消費を節約する方法があります。
エコドライブで燃費アップ
燃料消費を抑える運転方法を実践することで燃費がアップし、結果的にガソリン代の節約につながります。具体的には以下のようなことに注意し、運転するのがおすすめです。
- 急発進や急加速を控える
- スムーズなアクセル操作を心がける
- 信号待ちではエンジン停止も検討
タイヤの空気圧チェック
タイヤの空気が適正でないと、燃費が悪化してしまいます。できれば月に1回は、愛車のタイヤの空気圧を確認し、必要に応じて充填しましょう。車種ごとの適性空気圧は、ほとんどの場合、運転席ドアの内側に記載してあります。
不要な荷物は降ろす
荷物が多いと重量が増え、車両を動かすのに動力を必要とするため、燃費が悪くなってしまいます。車内やトランクは定期的に整理するようにしましょう。
定期的なメンテナンスも大事
車検時に限らず、定期的なメンテナンスを行うことで燃費が良くなるケースもあります。代表的な例として「エンジンオイル交換」が挙げられます。
エンジンオイルが汚れていると燃焼効率が下がり、燃費の悪化につながるのです。一般的に6か月に1回、または5,000～10,000km走行で交換すべきと言われています。
車の利用頻度や移動手段の見直しも検討
ガソリン価格の高騰に対応するには、マイカーに頼る頻度を見直すことも有効です。状況に応じて移動手段を柔軟に使い分けてください。
近距離の移動は車から切り替える
日常の買い物や短い通勤など、近距離の移動は徒歩や自転車、公共交通機関の利用を検討してみましょう。ガソリン代を節約できるだけでなく、健康増進にも繋がります。
車の「所有」から「利用」へシフトする
車の利用頻度が低い場合、思い切ってマイカーを手放し、必要な時だけ車を「利用」するスタイルに切り替えるのも一つの手です。近年は多様なサービスが登場しています。
- 短時間・手軽に借りたいなら： カーシェアリング
- 旅行などで長時間使いたいなら： レンタカー
- 定額で気軽に乗り換えも楽しみたいなら： カーサブスクリプション
これらのサービスは、税金や保険料、駐車場代といった維持費を大幅に削減できる可能性があります。ご自身のライフスタイルに合わせて検討してみましょう。
燃費のよい車への買い替えも有効な長期的対策
車の買い替えはまとまった費用が必要なため、節約とは逆の行動と思われがちです。ところが実際は、長期的に見た時に有効な節約手段なのです。その理由を見ていきましょう。
燃費性能の高い車への乗り換え
下記のような燃費性能の高い車への乗り換えは、長期的に見た時にガソリン代の節約になり、環境にもやさしい選択肢になります。
| ハイブリッド車（HEV） | エンジンとモーターを併用しガソリン消費を抑える |
| プラグインハイブリッド車（PHEV） | 外部充電に対応し、一定距離を電気だけで走行可能 |
| 電気自動車（EV） | ガソリンを一切使わず、電気モーターのみで走るゼロエミッション車 |
| クリーンディーゼル車 | ディーゼルエンジンを搭載しガソリンより安価な軽油が燃料 |
維持費の見直しで見えてくる！買い替えの経済的メリット
買い替えを検討する際は、燃費だけでなく総コストを比較することが大切です。月々の支払い・燃料費・税金・整備費などをトータルで比較すると、本当にお得な選択肢が見えてきます。
昨今、世界的に人気の「SUV」を例に年間の維持費を比較してみましょう。
| 「SUV」の年間維持費 | |||
| 維持費の種類 | ガソリン車（例：燃費10km/L） | 燃費性能のよい車（例：HEV・EV） | 備考 |
| 自動車税 | 約30,000〜40,000円 | 約10,000〜30,000円 | エコカー減税の対象車種は軽減される |
| 任意保険 | 約60,000〜100,000円 | 約60,000〜100,000円 | 車種や等級により大きく変動 |
| 燃料費 | 約150,000円（ガソリン） | 約60,000〜90,000円（ガソリン or 電気） | ハイブリッド車やEVは燃費効率が高い |
| 車検・メンテナンス | 約60,000〜100,000円 | 約40,000〜80,000円 | EVは構造がシンプルで維持費が低め |
| 駐車場代（都市部） | 約120,000〜240,000円 | 約120,000〜240,000円 | 地域による差は同等 |
| 年間合計 | 約420,000〜640,000円 | 約290,000〜540,000円 | 保有年数が長いほど差が大きくなる |
これらに加え、燃費性能のよい車はエコカー減税や補助金を受けられることもあるため、差がさらに大きくなります。「そろそろ買い替えかな」と思っている方は、ガソリン価格の先行きが不透明な今こそ、車の買い替えを検討するタイミングだといえます。
まとめ｜ガソリン補助金の今後に注目し、賢いカーライフを！買い替えなら「最強買取」がおすすめ
現時点ではガソリン補助金が継続しているため、急激な価格上昇は抑えられています。ただし、この補助金制度はあくまで一時的な措置であり、政府の判断によっては突然縮小や終了する可能性も否定できません。
仮に補助金が打ち切られた場合、ガソリン価格が急上昇する可能性があります。このような事態に備えるために、日頃から燃費のよい車に乗り換えるのは、現実的な選択肢です。
とくにハイブリッド車やEVなど、エコ性能に優れた車への買い替えは、将来的な燃料コストの上昇リスクを抑える有効な手段といえます。もし、車の売却や買い替えをお考えなら、「最強買取」がおすすめです。
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