中古車を探している際、「この走行記録は本当に信用できるのか?」という疑問を抱いたことはありませんか?車両年数に比べて極端に走行距離が短い車や、市場価格より明らかに安価な車を発見した際、その信憑性を判断できずに困っている方も多いのではないでしょうか。
実は、正しい確認手順を習得することで、メーター改ざん車両を購入前に見分けられます。走行記録を不正に操作した車両には、必ず物理的証拠や記録上の食い違いが存在するものです。
そこで本記事では、メーター改ざん車両を発見する7つの確認手順と、誤って不正車両を購入した際の危険性、加えて信頼できる販売業者の見極め方を徹底解説します。
最後まで読むことで、不正車両を回避し、安全な中古車を選ぶ知識と視点が身につきます。中古車選びで後悔したくない方は、ぜひこの記事を参考にしてください。
目次
走行距離巻き戻し(メーター改ざん)の基本と危険性

中古車の購入を検討するうえで、走行距離はクルマの状態を見極めるための大切な指標です。残念ながら、中古車業界にはいまだに走行記録を意図的に改ざんする悪質なケースが存在します。
ここでは、メーター改ざんがどのようにおこなわれているのか、その背景や被害の実態、さらに法律上のリスクについて、以下3つのポイントから解説します。
- 走行距離巻き戻し(メーター改ざん)とは?定義と目的
- 走行距離巻き戻し(メーター改ざん)が問題視される理由と購入者の不利益
- 走行距離巻き戻し(メーター改ざん)の法的責任
走行距離巻き戻し(メーター改ざん)とは?
距離計の巻き戻しとは、自動車に搭載された総走行距離表示装置(オドメーター)の数値を、実際の値よりも意図的に減らす違法行為です。この手口は「距離計操作」や「オドメーター不正」とも呼ばれ、中古車の市場価格を人為的に押し上げる狙いでおこなわれます。
メーター改ざんは重大な違反行為です。実行者として多いのは、悪質な中古車販売事業者や個人間売買における売主です。
走行距離巻き戻し(メーター改ざん)が問題視される理由と購入者の不利益
距離計(オドメーター)が改ざんされた車両では、本来の使用状況を正しく把握することができず、重大なリスクを見落としてしまう可能性があります。表示された距離と実際の消耗状態に大きな差がある場合、適切な整備時期を見誤ってしまうおそれがあるのです。
たとえば、エンジンの劣化やブレーキパッドの摩耗具合などは、走行距離と密接に関係しています。以下に、代表的な重要部品と改ざんによるリスクをまとめました。
重要部品 | 一般的な交換目安 | 改ざんによるリスク |
タイミングベルト | 10万km 前後 | 突然の切断による故障 |
ブレーキパッド | 3万~5万kmごと | 制動力低下 |
エンジンオイル | 5,000~1万kmごと | エンジンの損傷 |
特筆すべきは、エンジン内部で回転運動を支えるタイミングベルトは、10万km前後での交換が目安です。走行距離が実際より少なく表示されていた場合、交換時期を過ぎたまま使用し続けることになり、ベルト切断による深刻な故障・事故につながる危険性があります。
メーター改ざんは「車の寿命」をごまかす行為であり、結果的にドライバーと家族の安全を脅かす重大な問題です。
走行距離巻き戻し(メーター改ざん)の法的責任:罰則と契約不適合責任
メーター改ざんした車両を販売する行為は重大な法律違反であり、販売者に対して厳しい法的責任が問われます。
以下の表に、違反に該当する可能性が高い法律と責任内容、具体的な罰則を整理しました。
責任の種類 | 法的処罰の種類 | 違反内容 | 刑罰・権利内容 |
刑事責任 | 詐欺罪(刑法第246条) | 偽装事実を隠蔽した取引 | 10年以下の懲役 |
刑事責任 | 不正競争防止法違反(不正競争防止法第2条第1項第20号、第21条) | 公正競争阻害行為 | 5年以下の懲役または 500万円以下の罰金法人には3億円以下の罰金 |
民事責任 | 契約不適合責任(民法第562条~第566条) | 販売者の民事上の責任 | 契約解除、代金減額請求、追完請求、損害賠償請求 |
行政処分 | 景品表示法違反 | 不当な顧客誘引(優良誤認表示) | 事業停止命令、認証取消、措置命令など |
法的責任はいずれも販売者に課されるものです。購入者が故意に関与していない限り、刑事・民事の責任を負うことはありません。
ただし、購入後に不正が発覚した場合、適切な救済を受けるためには、契約書や整備記録の確認、販売店とのやりとり内容の記録など、適切な証拠の提出が求められます。
走行距離巻き戻し(メーター改ざん)を見抜く7つのチェックポイント

ここでは、不正車両を見抜くための方法について、以下の7つのポイントを詳しく解説します。
- 「整備記録簿」と「車検証」の整合性を確認
- 走行距離と「車の消耗度」のギャップを内外装で判断
- 「部品の交換履歴」と「劣化具合」をエンジンルームや下回りで確認
- 「走行フィーリング」と「異音・振動」を試乗で確認
- 「メーターパネル」の不自然さを現車確認時にチェック
- 「第三者機関の鑑定書」や「走行距離管理システム」を活用
- 販売店の「説明の信頼性」と「対応」を見極める
チェックポイント①:「整備記録簿」と「車検証」の整合性を確認
車検証には、前回および前々回の車検時に記録された走行距離が記載されています。これらの数値と現在のオドメーター表示を比較することで、走行距離に不自然な変化がないかを確認できます。
たとえば、記録の途中で距離が減っていたり、一定期間の記録が抜けていたりする場合は、改ざんされているかもしれません。また、整備記録簿に記載された過去の走行距離と現在のメーター表示、車検証の内容に矛盾がないかも確認してください。
記録簿に不自然な空白がある場合や、記入の痕跡に違和感がある場合は注意が必要です。
チェックポイント②:走行距離と「車の消耗度」のギャップを内外装で判断
運転席シートの座面やハンドルの握り部分、ペダル類の摩耗状況は、実際の使用頻度を反映するものです。表示走行距離が少ないにも関わらず、これらの部品が極端に劣化している場合は注意してください。
年式と走行距離から想定される劣化レベルと、実際の状態に大きな違いがあれば、改ざんを疑うべきです。
チェックポイント③:「部品の交換履歴」と「劣化具合」をエンジンルームや下回りで確認
エンジンルームでは、ベルトやホース類の劣化状態を確認します。なかでもタイミングベルトは、走行距離10万km前後で交換されるのが一般的なため、交換時期を記載したステッカーが貼られていれば参考になるはずです。
また、下回りではマフラーやサスペンションの部品に錆や劣化がないかを見て、実際の使用状況と合っているかを判断します。エンジンまわりの部品がやけに新しかったり、オイル漏れの痕跡があったりする場合も、走行距離との整合性に疑問が残るため注意が必要です。
チェックポイント④:「走行フィーリング」と「異音・振動」を試乗で確認
試乗の際は、エンジンの始動のスムーズさや吹け上がりの状態をしっかり確認しましょう。走行距離が少ない車であれば、エンジンの反応が軽快で不自然な振動がなく、加速も力強く感じられるはずです。
また、ギアのつながりやブレーキの効きに違和感がある場合は注意してください。ミッションが滑ったような感触だったり、ブレーキの効きが鈍かったりする場合は故障が疑われるうえに、実際の走行距離よりも使用感が進んでいる可能性があります。
チェックポイント⑤:「メーターパネル」の不自然さを現車確認時にチェック
メーターパネル周辺のネジやカバー部分に、不自然な傷や取り外し痕がないかを確認しましょう。デジタルメーターの場合は、液晶画面のドット抜けや表示のかすれ、各種警告灯の動作異常がないかもチェックしてください。
チェックポイント⑥:「第三者機関の鑑定書」や「走行距離管理システム」を活用
「一般財団法人日本自動車査定協会(JAAI)」や「株式会社AIS」など、第三者の鑑定機関が発行する車両評価書は、走行距離の信頼性を確認できる貴重な情報源です。評価書には車両の状態や過去の履歴が明記されており、改ざんの有無を判断する手がかりになります。
また、「日本自動車流通研究所(旧:日本オートオークション協議会)」を経由した車両であれば、走行距離管理システムを通じて過去の記録を照会できる場合もあります。こうした外部データを活用することで、表示されている走行距離が実態に即しているかを確実に確認可能です。
チェックポイント⑦:販売店の「説明の信頼性」と「対応」を見極める
走行距離に関する質問に対し、販売側に曖昧な回答や話題をそらそうとする態度が見られる場合、何らかの問題を隠している可能性があります。必要な書類や情報の提示を求めた際に協力的な姿勢を示すかどうかも重要です。
走行距離巻き戻し(メーター改ざん)車購入時の3つのリスク

もし不正車両を知らずに購入してしまった場合のリスクとして、以下の3つを解説します。
- 高額な修理費と維持費の増大
- 売却時の大幅な価値ダウン・資産価値損失
- 精神的ショックと時間的損失・販売店とのトラブル
リスク①:高額な修理費と維持費の増大
走行距離が改ざんされた車両では、実際の走行距離が表示よりもはるかに多く、部品の劣化が予想以上に進んでいるケースが少なくありません。たとえば、タイミングベルトやブレーキパッドなどの重要部品が本来の交換時期を過ぎているにもかかわらず、購入者がその事実に気づかず、乗り続けてしまうおそれがあります。
このような場合、購入後すぐに高額な修理費用が発生することも十分考えられます。さらに、エンジンやブレーキといった安全に直結する部品の不具合によって、重大な事故を引き起こすリスクも否定できません。
リスク②:売却時の大幅な価値ダウン・資産価値損失
距離計改ざんが発覚した車両は、中古車市場において著しく価値が下がります。たとえば、200万円で購入した中古車両の場合、改ざんが発覚すれば100万円以下での売却しかできなくなる可能性があります。それどころか、買取を拒否される可能性も否定できません。
リスク③:精神的ショックと時間的損失・販売店とのトラブル
経済的損失や安全面のリスクに加え、信頼していた販売店から不正車両を購入していたという事実は、大きな精神的ショックとなるでしょう。
なかでも問題なのは、その後に発生する対応の手間です。販売店との交渉や返金・修理の請求、場合によっては法的手続きまで検討する必要があり、時間と労力を大きく奪われます。
走行距離巻き戻し(メーター改ざん)発覚時の相談先と取るべき行動

実際に走行距離の改ざんがわかったとき、まずは冷静に状況を整理し、段階的に対応しましょう。まずは、販売店への連絡と交渉です。契約書や納車時に交付された書類、保証内容などを見直し、走行距離に関する記載や保証の適用条件を確認しましょう。
交渉の際には、車検証・整備記録簿・評価書などの証拠書類を手元にそろえておくことが重要です。その際、販売店側が誠実に対応しない場合や、話し合いが難航する場合は、第三者の相談機関に助けを求めることを検討します。
具体的には、次のような専門機関への相談が有効です。
機関名 | 概要 |
消費生活センター(各自治体) | 消費者と事業者のトラブル解決を支援 |
弁護士 | 契約不適合責任や損害賠償請求の法的助言 |
一般社団法人 自動車公正取引協議会 | 不当表示への厳正な対処・未然防止活動 |
一般社団法人 日本中古自動車販売協会連合会 | 中古車に関すること全般の相談ができる |
トラブルを一人で抱え込まず、なるべく早く専門家に相談してください。
信頼できる中古車販売店の選び方

ここでは、メーター改ざんなどのトラブルに遭わないために、信頼できる中古車販売店を選ぶために押さえておきたい3つのポイントを解説します。
- 「口コミやレビュー」をしっかりチェック
- 「スタッフの誠実な対応」で見極める
- 「第三者機関の鑑定書」と「充実した保証制度」を確認
ポイント①:「口コミやレビュー」をしっかりチェック
インターネット上の評判は、販売店の実態を把握するうえで有効です。Googleのレビューや中古車販売に特化した口コミサイト、SNSでの利用者の投稿など、複数の媒体で店舗名を検索してみましょう。
どの媒体でも一貫して高い評価を得ている店舗であれば、信頼性があると判断できます。ただし、好意的な意見だけでなく、否定的な評価やトラブル事例にも目を通しましょう。クレームに対する店舗側の対応姿勢を確認することで、その販売店が誠実に対応しているかどうかが確認できます。
ポイント②:「スタッフの誠実な対応」で見極める
販売スタッフの対応は、その店舗全体の姿勢を反映しています。質問に対して曖昧な返答をせず、車両のメリットだけでなく、デメリットや注意点についても正直に伝えてくれる店舗は、信頼できる販売店である可能性が高いでしょう。
一方で、契約を急かしたり、強引なセールスをおこなったりする店舗は避けたほうが無難です。なかでも走行距離の改ざんや修復歴に対して真摯に答えてくれるかどうかは、販売店の誠実さを見極めるポイントといえます。
ポイント③:「第三者機関の鑑定書」と「充実した保証制度」を確認
第三者機関(JAAIなど)が発行する鑑定書があるかどうかも、信頼性を判断するうえで重要です。こうした鑑定書があれば、走行距離の改ざんや事故歴の隠蔽といった不正を防ぎやすくなります。
あわせて、購入後の保証制度にも注目しましょう。保証期間の長さや対象部品の範囲、免責事項の有無など、保証内容が明確に記載されている店舗であれば、購入後も安心して乗り続けられます。
まとめ:走行距離巻き戻し対策と「最強買取」での安心な愛車売却
走行距離の改ざんは、中古車市場における代表的なトラブルの一つです。近年ではメーターのデジタル化が進み、不正のハードルは高くなっていますが、それでも注意が必要です。
本記事でご紹介した以下の7つのポイントを把握することで、改ざん車両を購入してしまうリスクを大幅に軽減できます。
- 整備記録簿と車検証の走行距離に矛盾がないか確認
- 内外装の摩耗具合と表示走行距離の整合性をチェック
- エンジンルームや下回りの部品交換履歴・劣化具合を確認
- 試乗してエンジンやブレーキなどの動作に違和感がないかチェック
- メーターパネル周辺に改ざんの痕跡がないか確認
- 第三者機関による鑑定書・走行距離管理システムの有無を確認
- 販売店の説明が誠実であるか、不自然な受け答えがないかを判断
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