数か月後に車検を控えており、車検を通すべきか買い替えるかでお悩みの方も多いことでしょう。どちらが正解かは、車の状態やあなたのライフスタイルの変化など、さまざまな要因から判断する必要があります。
なぜなら、車検には多額の費用がかかるので、売却するなら車検前のほうがいいですし、乗り続けるのであれば次回の車検が近づくまで乗ったほうがいいからです。そこでこの記事では、以下の4つのポイントを徹底解説します。
- 車検を通すか買い替えるかを判断するポイント
- 【車検業者別】車検費用の相場
- 売却するなら車検前をおすすめする理由
- 車検費用を安く抑えるコツ
この記事を最後まで読んでいただくことで、車検を控えたあなたにとって、損しない最適な判断が何かを知っていただけるはずです。
目次
車検を通すか買い替えかを判断するポイント
一般的な乗用車(軽自動車含む)の場合、以下のサイクルで車検を受けなければなりません。
- 初回:3年
- 2回目以降:2年
前述のとおり、余計な車検費用を支払って損しないためにも、車検を通し次回の車検まで乗り続けるか、車検を受けずに買い替えるかの決断は非常に重要です。ではどちらかを選ぶべきなのか、判断するポイントとして以下の4つが挙げられます。
- 車の状態
- 税金
- ライフスタイルの変化
- 維持費
それぞれ詳しく解説するので、あなたがどちらを選ぶべきか考えてみてください。
車の状態で判断
まずは、現在の車の状態で判断しましょう。その際、チェックしておくべきポイントは以下の3つです。
- 年式
- 走行距離
- 故障の頻度
ひとつずつ見ていきましょう。
年式
あなたの愛車が初年度登録から何年経っているかは、売却するか乗り続けるかを判断する上で重要なポイントです。3年、5年、7年、9年…と、年式が古くなるほど、あなたの愛車の価値が下がる要因が増えてきます。
特に5年は最も重要なタイミングで、経過するとほとんどの場合メーカー保証がなくなり、今後の修理代は自己負担となります。また、人気の車種は早ければ5年ほどでフルモデルチェンジするので、型落ちになると価値が下がってしまうことも覚えておきましょう。
実際に、残価設定型クレジットを5年に設定することが多いのは、その後価値が大きく下がる可能性が高いからです。4回目の車検のタイミングである9年目を迎えたら、車検を通す場合は、基本的に乗り潰すつもりでいたほうがよいでしょう。
また、13年目から自動車税、自動車重量税が高くなるので、12年が廃車や買い替えの一つのポイントとなります。
どの年式であっても、その後価値が下がり、維持費に加えて修理費用を負担するリスクが高くなることを想定しておくことが重要です。
走行距離
愛車がどのくらい走行しているか、車検を通した場合、次回の車検時に何kmになっているかは、重要な判断材料です。一般的に、車に価値があるのは軽自動車で8万km、普通車で10万kmと言われています。
もちろんそれを超えても走行はできますが、多走行になるほど足回りやエンジン周辺の故障リスクが高くなるからです。代表的な例は、10万kmで交換するべきとされる「タイミングベルト」で、普通車であれば6万円~10万円の交換費用がかかります。
買い替えを検討しているなら、低走行で価値があるうちに売却するのも良いでしょう。
故障の頻度
現在の故障の頻度も車検を通すか買い替えるかを判断するポイントです。車が古くなり故障を繰り返しているようなら、その後も修理代がかかってくる可能性が高くなります。
その状態で車検を通して乗り続けるのは、その後車の価値が下がることを考慮しても得策とは言えないでしょう。故障を繰り返していたり、何か不具合を起こしているようなら、思い切って買い替えてしまうほうが安くつくかもしれません。
税金
車は使用年数が長くなると、車検で支払う「自動車税」と「自動車重量税」が高くなります。13年経過を基準に税額が上がるので、税金を少しでも抑えたいなら買い替えを検討してみるのも良いでしょう。
どのくらい変わるのか、2024年時点の軽自動車と普通車の具体例を見てみましょう。
自動車税
自動車税とは、車の所有者に毎年課される税金で、排気量に応じて金額が異なります。自治体により異なりますが、5月末を納期限とする場合がほとんどです。電気自動車やハイブリッドカーなどのエコカーを除くガソリン車は13年目から、ディーゼル車は11年目から約15%増税されます。
排気量 | 新車登録から13年未満 | 新車登録から13年以降 |
~1,000㏄ | 29,500円 | 33,900円 |
1,000~1,500㏄ | 34,500円 | 39,600円 |
1,501~2,000㏄ | 39,500円 | 45,400円 |
2,001~2,500㏄ | 45,000円 | 51,700円 |
2,501~3,000㏄ | 51,000円 | 58,600円 |
3,001~3,500㏄ | 58,000円 | 66,700円 |
3,501~4,000㏄ | 66,500円 | 76,400円 |
4,001~4,500㏄ | 76,500円 | 87,900円 |
4,501~6,000㏄ | 88,000円 | 101,200円 |
6,000㏄~ | 111,000円 | 127,600円 |
2019年10月以降に新規登録された普通車は、減税の対象となるため上記には該当せず、以下の税額が適用されます。
排気量 | 税額 | 減税額 |
~1,000㏄ | 25,000円 | 4,500円 |
1,000~1,500㏄ | 30,500円 | 4,000円 |
1,501~2,000㏄ | 36,000円 | 3,500円 |
2,001~2,500㏄ | 43,500円 | 1,500円 |
2,501~3,000㏄ | 50,000円 | 1,000円 |
3,001~3,500㏄ | 57,000円 | 1,000円 |
3,501~4,000㏄ | 65,500円 | 1,000円 |
4,001~4,500㏄ | 75,500円 | 1,000円 |
4,501~6,000㏄ | 87,000円 | 1,000円 |
6,000㏄~ | 110,000円 | 1,000円 |
軽自動車は2015年4月1日以前とそれ以降で税額が異なりますが、13年を超えると増税が適用され、一律となります。
新車登録日 | 13年経過後 | ||
~2015年3月31日 | 2015年4月1日~ | ||
軽自動車(乗用) | 7,200円 | 10,800円 | 12,900円 |
軽自動車(貨物) | 4,000円 | 5,000円 | 6,000円 |
自動車重量税
自動車重量税とは、車両の重量に基づいて課される国税で、車検時に支払う必要があります。車の総重量が重いほど税額が高くなります。エコカーや低排出ガス車を除く普通自動車は、13年目と18年目で増税の対象となり、それぞれ1年あたりの税額は以下のとおりです。
経過年数 | 普通自動車の税額 | 軽自動車(自家用乗用) |
~12年目 | 0.5tあたり4,100円 | 3,300円 |
13~17年目 | 0.5tあたり5,700円 | 4,100円 |
18年目~ | 0.5tあたり6,300円 | 4,400円 |
ライフスタイルの変化(引越し、出産など)
車検前のタイミングでライフスタイルに変化がある場合は、買い替えも検討しましょう。車検を通しても、今の車では生活に支障が出るためすぐに買い替えると、高額な車検費用が無駄になるからです。
具体的なライフスタイルの変化とは、転勤、引っ越し、家族が増えるなどが挙げられます。「勤務先が遠くなり、燃費の良い車が欲しい」「子どもが生まれ、ファミリーカーが欲しい」などと考えていたり、近い将来にそうなることが分かっているなら、買い替えを検討するのがおすすめです。
維持費(ガソリン代の高騰)
円安やウクライナ危機、中東情勢の不安定さなどの影響で2020年からガソリン価格は上昇し続けており、今後下がる見通しは立っていません。
※資源エネルギー庁HPを参照に筆者作成
そのため、ガソリン代が家計を圧迫している家庭も多いでしょう。そのため、車検前のタイミングで、一度燃費の良い車への乗り替えを検討してみるのも良いでしょう。
特に通勤などで走行距離が多くなるほど、燃費の良さは重要となります。場合によっては1カ月で1万円以上の節約になる場合もあります。必要以上に大きな車を最適な大きさにサイズダウンすることで、税金面の節約になり、維持費を抑えることができます。
車検前のこのタイミングに、維持費を下げる車への買い替えを検討してみるのもおすすめです。
【車検業者別】車検費用の相場
車検は、自動車が法律で定められた保安基準を満たしているか確認するための定期検査です。その際、整備費用だけでなく「自賠責保険料」「自動車重量税」「印紙代」を支払う必要があるため高額となります。
車両タイプ別の車検費用の相場は以下のとおりです。
車両タイプ | 費用範囲 |
軽自動車 | 約6万〜12万円 |
普通自動車(重量1t以下) | 約7万〜15万円 |
普通自動車(重量1.5t以下) | 約9万〜17万円 |
普通自動車(重量2t以下) | 約11万〜20万円 |
金額に大きな開きがあるのは、ディーラー、民間整備工場、車検専門店、カー用品店、ガソリンスタンド、ユーザー車検など、業者によって車検基本料や整備交換費や部品の値段が違うからです。
次に、それぞれの業者の特徴と車検基本料の相場を見ていきましょう。
ディーラー|車検基本料の相場:30,000~50,000円
各メーカーの正規販売店であるディーラーを選ぶ最大のメリットは、安心感が最も高いことです。トヨタのディーラーであればトヨタ車に関する知識や経験が豊富で、高い技術力が期待できます。
ただし、その分費用が高額になる傾向にある点は、大きなデメリットです。次回の車検まで安全に乗れるよう、まだ使用できる部品やパーツも交換してしまいますし、交換部品に高品質な純正品を使用する分、総額が高くなってしまいます。多少高額になっても質の高い整備に期待する方におすすめです。
民間整備工場、車検専門店|車検基本料の相場:15,000~30,000円
民間整備工場や車検専門店に依頼するメリットは、ディーラーに比べてリーズナブルに車検を受けられることです。必要な作業のみを行うことでコストを抑えたり、車検時に大規模な修理を強制せず、最低限の整備で済ませる柔軟性があるためです。
国の認証を受けた認証工場のうち一定基準をみたす「指定工場(民間車検工場とも呼ばれる)」であれば、自社施設で車検を完結できるため、最短即日で全てを終えられるスピード感が魅力です。
民間整備工場と車検専門店に共通するデメリットとしては、両者とも色々なメーカーの車を取り扱うため、ディーラーに比べると特定車種に対する専門性が低いことが多いです。また、必ずしも純正部品を取り扱うわけではないので、純正品を強く求める方には向いていないと言えます。
このほか、車検専門店に関しては車検に通すことが主目的となっていることが多いため、高度な整備や修理は期待しにくいでしょう。
信頼できる整備工場がある方や、なるべく車検費用を抑えたい方にはおすすめです。
カー用品店、ガソリンスタンド|車検基本料の相場:10,000~30,000円
カー用品店やガソリンスタンドに車検を依頼する最大のメリットは、利便性です。いたるところに店舗があるので、いつもの通勤ルートやお買い物に行くお店の近くの店舗など行きやすい店舗を選べます。
比較的営業時間が長いので、仕事や家事で忙しく日中時間が取りにくい方でも依頼しやすいです。また、費用もディーラーに比べて安くなる傾向にあり、店舗によっては最短即日で車検が完了するサービスを行っています。
デメリットとしては、店舗により整備の質にバラつきがあること、大規模な修理や整備が出来ない可能性があることです。車検時の整備を求めておらず、とりあえず安価で車検を通すことが目的の方や、スピード感を重視する方におすすめです。
ユーザー車検
ユーザー車検とは、車の所有者が自ら陸運局に車を持ち込んで車検を行う方法です。最大のメリットは、第三者に依頼しないため、車検基本料(代行料)が一切かからないことです。
しかし、車検に適合するために整備を自ら行ったり、複雑な手続きのやり方を理解しておく必要があります。また、陸運局は基本的に平日の日中しか開いていないため、人によっては時間の確保も必要になります。
車に関する深い知識と整備道具があり、なおかつ平日に時間が作れる方以外にはおすすめしづらく、多くの方は業者に依頼するべきです。
買い替える場合、最適なタイミングは車検前!
ここまでの内容を受けて、車の買い替えを検討する方も多いでしょう。結論として、車検を受ける前に車を売却するのがおすすめです。その最大の理由は、車検には多額の費用がかかるからです。
車検が残っていれば多少の査定アップは期待できますが、高額な車検費用以上の査定アップはほぼ見込めないため、結果的に損をすることになります。また、ある程度の査定に期待できるのは3回目(新車購入から7年目)の車検前までと考えて良いでしょう。
実際に40%近いユーザーが、まだ価値の見込める7年以内に買い替えています。
下記グラフは、一般社団法人日本自動車工業会が発表した「2023年度乗用車市場動向調査」を基に作成しています。
その理由と、1回目、2回目、3回目の車検ごとの車の状態や価値がどうなるのかを、詳しく見ていきましょう。
新車購入から3年目(1回目の車検)
3年目(1回目の車検)に買い替えるユーザーは10%未満で、多くはありません。まだメーカー保証が残っている場合が多く、また大きな整備の必要もないため余計なコストもあまりかからないでしょう。
とはいえ、車検を通した後からは、車の市場価値が下落傾向になる時期となります。
走行距離が増えてきますし、フルモデルチェンジを迎え型落ちとなる可能性もあるからです。さらに、タイヤなど消耗品の交換が重なり、メンテナンスのコストがかかることも増えてくるでしょう。
市場価値が残っているうちに売りたいと考えている方は、買い替えを検討するのが良いでしょう。
新車購入から5年目(2回目の車検)
5年目ともなると走行距離も伸びてくるため、買い替えを現実的に検討し始める方が多いです。メーカー保証が切れるタイミングということもあり、リセールバリューが下がり始める時期だからです。
また、人気車種であればフルモデルチェンジのタイミングが近いであろうことも考慮しておいたほうが良いでしょう。一般的にフルモデルチェンジし、型落ちとなった前モデルは市場価値が低くなるため、フルモデルチェンジ前に売るほうが良いです。
新車購入から7年目(3回目の車検)
3回目の車検を迎えるころには、買い替えるか乗り潰すかを選択する必要があります。
使用状況によっては走行距離が10万kmを超え、整備やメンテナンスが必要となる場合も増えてきます。
ここで車検を通し、次回の車検前で売却しても価値がほとんどないことも多いので、まだ値段がつくこのタイミングで買い替えるユーザーが多いです。
車検費用を安く抑えるコツ
車検時は法定費用だけでも多額の費用がかかるため、少しでも安く抑えたいと考える方は多いでしょう。ここでは、車検費用をなるべく安く抑えるコツを紹介します。
その方法は、具体的に以下の2つです。
- 車検業者を厳選する
- ユーザー車検を利用する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
車検業者を厳選する
車検基本料は業者によって異なります。車検費用をなるべく安く抑えたいのであれば、どの業者を選ぶかが大きなポイントです。
整備の必要がなく、車検を代行してもらうだけでも、業者によって1万円以上の差が出る場合があります。手間をかけられるなら、相見積もりをとって安い業者を選ぶことをおすすめします。
ユーザー車検を利用する
業者に依頼せず自ら陸運局に車を持ち込むユーザー車検が、最も車検費用を抑える方法です。業者に依頼すれば必要となる車検基本料と整備費用がかからないため、部品交換の必要がなければ法定費用だけで車検を通すことができるからです。少なくとも1万円以上車検費用を節約できるでしょう。
ただし、陸運局は平日しか開いておらず、仕事や家事で忙しい方は時間を作るのが大変です。また、慣れていないと手続きがややこしく、しっかり整備していないと車検を通せないことも多いため、車に詳しくない方にはあまりおすすめできません。
車検を通すべきか、買い換えるべきかは、多くの人が直面する悩みです。どちらが最適かは車の状態やライフスタイルの変化によって異なります。特に、車検費用が高額になる前に、車を売却することが賢明な場合もあります。
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