トヨタの名車GRスープラが2026年春に生産終了することが発表され、自動車ファンやコレクターの間で注目が集まっています。生産終了に伴い、中古車市場での価値が今後どのように変化するのか気になるところです。
この記事では生産終了の理由や、中古車市場への影響について考察します。
目次
トヨタ GRスープラが生産終了へ

トヨタは、GRスープラの生産終了を正式に発表しました。スープラは1980年代に誕生し一度は姿を消したものの、復活を遂げたスポーツカーとして多くの自動車ファンに支持されてきました。
生産終了は、多くの人々にとって衝撃であり、今後の市場に影響を与えることが予想されます。GRスープラが生産終了に至るまでを詳しく解説します。
トヨタ GRスープラは2026年春に生産終了
トヨタは、GRスープラの生産を2026年春に終了することを正式に発表。未来のモデルや次世代技術の研究開発にリソースを振り向けるため、スープラの生産を見直すことになったようです。スープラのファンにとって、生産終了の告知はショッキングなニュースとして受け止められています。
A90ファイナルエディションが限定販売
GRスープラの生産終了の発表に伴い、特別仕様車「A90 Final Edition」が150台限定で発売されました。抽選は2025年3月21日から4月13日まで、当選発表は5月9日に行われ、すでに終了しています。今回の特別仕様車は、「さらなる一体感のある走り」を追求したスープラRZグレードの一部改良モデルです。
現行スープラの集大成として、究極・最高の性能・仕様を備えた特別仕様車に仕上がっています。この限定モデルは、生産台数も少なくコレクターからも注目を集めているため、中古車市場でプレミアム価格が付くのは間違いありません。
トヨタ GRスープラのこれまで
1978年、当時トヨタのスペシャルティカーとして、セリカの上位モデル「セリカXX(ダブルエックス)」が登場。しかし、この”XX”というネーミングは、アメリカで成人映画を連想させるため、**「至上」を意味するラテン語の「スープラ」**を付け、セリカスープラと名称が変更されました。そんな初代”セリカスープラ”から始まるスープラの歴史を見ていきましょう。
初代 | A40 / A50型 | 1978-1981 |
2代目 | A60型 | 1981-1986 |
3代目 | A70型 | 1986-1993 |
4代目 | A80型 | 1993-2002 |
5代目 | A90型 | 2019〜 |
4代目のA80型は、世界的に大人気のカーアクション映画「ワイルド・スピード」において、主人公ブライアン・オコナーの愛機として世界中で人気が爆発。贅沢なスペシャリティカーから、日本を代表する本格スポーツカーへとその地位を確立してきました。
しかし、環境性能への対応やスポーツカー市場の縮小などの影響により、4代目の2002年で一度生産を終了。その後、5代目からトヨタのスポーツ系ブランド「GR」の専売モデルとして復活しています。
トヨタ GRスープラが生産終了する理由

BMWとの共同開発という、多くの車ファンに衝撃を与えつつ復活したトヨタGRスープラ(A90型)でしたが生産を終了することとなってしまいました。その理由となった課題は、市場環境の変化や技術革新。奇しくも、A80型と同じような理由で生産終了に至った、具体的な理由を考察します。
BMW Z4との共同開発が終了
GRスープラとBMW Z4(G29)は、プラットフォームを共通する兄弟車として設計されたモデルです。共同でエンジンやシャシーを設計。どちらもオーストリア・マグナシュタイアの工場で生産されています。
共同開発の契約は「約5年」の生産スパン。Z4が2026年をもって終了するといった報道もあることから、この流れに沿ってGRスープラも生産終了することが考えられます。
環境規制による生産コストの増大
昨今の環境規制は、自動車メーカーに対して厳しい基準を求めるようになっています。環境規制により生産コストが増大し、GRスープラのような高性能スポーツカーにとっては特に厳しい状況です。そのため、新たな技術開発にコストをかけるよりも生産終了といった選択肢が考えられるようになりました。
なかでも環境意識の高まりによって注目されている「電動化」は、車のジャンルを問わず避けられない状況です。速さを求めるスポーツカーも例外ではなく、世界の名だたるスポーツカーはハイパワーなエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド(HV)やフル電動車(EV)が主流になりつつあります。スープラが今後その名を残していくためには、大幅な環境性能の刷新が避けられません。
市場の変化による販売台数の伸び悩み
電気自動車やハイブリッドカーなど、中古車市場のトレンドが変化する中で、GRスープラの販売台数も伸び悩んでいます。消費者のニーズが多様化したことで、スポーツカーの人気が減少傾向です。
スープラをはじめとしたスポーツカーは、走る楽しさやカッコ良さを求めて開発されています。そのため、燃費性能や居住性といった日々の生活に直結する性能は、ミニバンやSUVと比較して劣ります。車が日々の生活に欠かせない存在だからこそ、どんなに高性能なスポーツカーでも絶対的な販売台数は望めません。
トヨタ GRスープラ生産終了が中古車市場に与える影響

生産終了によって、中古車市場におけるGRスープラの希少価値は高まることが予想されます。電動化やハイブリッドカーへの移行が進む中で、ガソリンエンジンを搭載した本格スポーツカーの存在は貴重になっています。
希少性から来る価格の上昇が期待される一方、売却を考えているなら過度な高騰が続くとは限らない点にも注意が必要です。中古車市場に出回る台数が増えることで中古車相場が崩れるため、必ずしも高騰し続けるとは限りません。
GRスープラ生産終了後の選択肢となるライバル車

GRスープラの生産終了により、選択肢となるライバル車を紹介します。スープラの抽選に間に合わなかった人や、今後乗り換えを検討している方は参考にしてください。
ポルシェ 718ケイマン
ポルシェ718ケイマンは、その卓越した性能と美しいデザインで人気があります。GRスープラの代替として人気が高く、ラグジュアリー感を求めるドライバーにとって魅力的です。パワーユニットは滑らかさ、サウンド、回転フィールなど、どこをとっても圧倒的な上質感があります。
エンジンを後席直後に配置するMR(ミッドシップ)レイアウトですが、718ケイマンの超高剛性で低重心な乗り味はスポーツカーの理想像のひとつといっても過言ではありません。ポルシェ718ケイマンの中古車・新車の価格相場は下記表のとおりです。
新車 | 中古車(現行) | |
718ケイマン | 948万円〜1843万円 | 412万円〜1258万円 |
グレードや走行距離によっても異なりますが、ケイマンに限らず、ポルシェのスポーツカーは値崩れしにくく、中古車市場での大幅な金額の減少は今の所見受けられません。
BMW M2クーペ
BMW M2クーペは、2023年2月に日本に導入された高性能FRクーペです。直列6気筒ツインターボエンジンが生み出す卓越したパワーと、電子制御ダンパーを備えたアダプティブMサスペンションによる安定性と操作性が魅力。さらに軽量コンパクトなボディにより、後輪駆動FRならではの軽快なハンドリングを両立しています。新車、中古車価格の目安は下記表の通りです。
新車 | 中古車(現行) | |
M2クーペ | 958万円 | 668.8〜950万円 |
BMWのハイパフォーマンスモデルでありながら、新車価格、中古車価格ともに1000万円以下で購入できます。しかし、流通量の少なさも手伝って、今のところ中古車価格の大幅な値下がりも見受けられません。
日産 フェアレディZ
日産のフェアレディZも、スポーツカー好きにはたまらない選択肢です。初代から受け継がれる「デイリーユース・スポーツカー」としての実用性が魅力のひとつ。さらにスポーツカーにふさわしい走行性能や操縦性が両立されています。
また、洗練されたデザインに加え、パワフルなV6エンジンがもたらす官能的な走りを実現しています。新車、中古車価格の目安は下記表の通りです。
新車 | 中古車(現行) | |
フェアレディZ | 549万7800円〜935万2200円 | 419万円〜1177万円 |
新車価格は1000万円を切りますが、中古車においては1000万円を超える車両もあります。
特に旧車ファンに人気のS30型やS130型など、希少価値が高いモデルはプレミア価格がついている車両も流通しています。
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