中古車の個人売買は、業者を介さない分、原則消費税がかからず、中間マージンも発生しないため、売り手は高く売れ、買い手は安く購入できる可能性を秘めた魅力的な取引方法です。しかし、その手軽さの裏には、専門知識がない個人同士の取引ならではの大きなリスクが潜んでいます。
「名義変更がされない」「支払ったのに車が届かない」「購入後すぐに故障した」といったトラブルは後を絶ちません。最悪の場合、詐欺被害に遭ったり、法的な問題に巻き込まれたりする可能性もゼロではありません。
この記事では、中古車個人売買に潜むリスクを徹底的に洗い出し、具体的なトラブル事例を交えながら、安心して取引を終えるための具体的な回避策と、取引の全手順を詳細に解説します。
目次
中古車個人売買に潜む主要リスク|売主・買主別の視点

中古車の個人売買には、売る側・買う側双方に特有のリスクが存在します。まずは、どのような危険性があるのかを具体的に見ていきましょう。
【売主側】のリスク
代金未払い・持ち逃げのリスク
最も警戒すべきリスクです。「後で支払う」と言われたまま連絡が取れなくなったり、試乗を装って車を持ち去られたりするケースがあります。
名義変更がされないトラブル
買主が名義変更手続きを怠ると、翌年度以降も自動車税の納付書が売主の元に届き続けます。さらに、買主が駐車違反や交通事故を起こした場合、車検証上の所有者である売主に責任が及ぶ可能性があります。
売却後のクレーム・修理要求
「聞いていなかった傷がある」「すぐにエンジンがかからなくなった」など、売却後にクレームをつけられ、修理代や減額を要求されることがあります。隠れた瑕疵(かし:欠陥)について、売主が責任を問われる「契約不適合責任」に発展するケースも少なくありません。
個人情報の漏洩
取引に必要な書類(印鑑証明書、住民票など)には、氏名、住所といった重要な個人情報が記載されています。これらの情報が悪用されるリスクも考慮しなければなりません。
【買主側】のリスク
車両の状態が説明と異なる(瑕疵)
個人売買では、修復歴(事故歴)や冠水歴、メーターの巻き戻しといった重大な事実が隠されている可能性があります。口頭での説明や写真だけでは判断が難しく、購入後に発覚するケースが後を絶ちません。
購入後の故障と保証の問題
販売店のような保証は一切ありません。購入直後にエンジンやトランスミッションといった高額な部品が故障しても、修理費用はすべて自己負担となるのが原則です。
詐欺・盗難車の可能性
支払いを済ませたにもかかわらず車が引き渡されない、あるいは、引き渡された車が盗難車だったという悪質なケースも報告されています。
ローンが組めない可能性がある
個人売買は基本的に現金一括払いです。個人売買を対象とした自動車ローンを提供している銀行や信販会社は少なく、資金調達のハードルが高くなります。
手続きの煩雑さ
名義変更や車庫証明の取得など、通常は販売店が代行してくれる手続きをすべて自分で行う必要があります。平日に時間を確保し、煩雑な書類作成や役所での手続きに奔走しなければなりません。
トラブル回避に必須の「売買契約書」の重要性と記載事項

口約束はトラブルの元です。個人売買であっても、必ず「自動車売買契約書」を作成し、双方が署名・捺印の上、1通ずつ保管してください。これが、万が一の際の強力な証拠となります。
契約書に必ず盛り込むべき10項目
インターネットでテンプレートを探すことも可能ですが、以下の項目が網羅されているか必ず確認しましょう。
- 売主・買主の情報: 双方の氏名、住所、連絡先を正確に記載します。
- 車両情報: 車検証の記載通りに、車名、型式、年式、車台番号、登録番号、走行距離を正確に記載します。
- 売買代金: 車両本体価格を明確に記載します。リサイクル預託金や未経過分の自動車税・自賠責保険料を別途清算する場合は、その旨と金額も明記します。
- 支払方法と期日: 「現金手渡し」「銀行振込」など具体的な支払方法と、支払期日を定めます。
- 車両の引渡し日と方法: いつ、どこで車両を引き渡すのかを具体的に記載します。
- 名義変更の期限と責任の所在: 「車両引渡し後、〇日以内に買主の責任において名義変更を完了させる」といった条項を必ず入れます。期限内に名義変更が完了しなかった場合のペナルティ(違約金など)を定めておくと、より実効性が高まります。
- 契約不適合責任(瑕疵担保責任)に関する取り決め: 個人売買では「現状有姿(げんじょうゆうし)」での取引が基本です。つまり、「引き渡し後は、隠れた瑕疵を含め、売主は一切の責任を負わない」という特約を明記することが一般的です。ただし、売主が知っている瑕疵を故意に隠していた場合は、この特約が無効になる可能性もあります。車両の状態(傷、凹み、不具合箇所など)を具体的にリストアップし、双方が確認した旨を記載した「車両状態確認書」を添付するのも有効です。
- 公租公課の負担: 自動車税や自賠責保険料の未経過分をどのように精算するかを記載します。
- 契約解除に関する条項: どのような場合に契約を解除できるか、その際の手付金の扱いなどを定めておきます。
- 契約締結日: 契約を交わした日付を記載します。
安心取引を実現する!個人売買の具体的な流れとチェックポイント
リスクを理解し、契約書の準備が整ったら、いよいよ取引開始です。以下のステップに沿って、慎重に進めましょう。
ステップ1:車両情報の確認と現車確認
売主: 車両の傷や凹み、不具合箇所を正直にリストアップし、写真撮影しておきましょう。修復歴の有無も正直に申告することが後のトラブルを防ぎます。
買主: 気になる車両を見つけたら、まずは詳細な情報を問い合わせます。特に「修復歴の有無」「定期点検整備記録簿の有無」は必ず確認しましょう。そして、必ず「現車確認」を行ってください。
【現車確認のチェックポイント】
確認項目 | チェックする内容 |
外装 | 傷、凹み、塗装の色あせやムラ、パネル間の隙間の均一性 |
内装 | シートの破れや汚れ、臭い、電装品(エアコン、ナビ、パワーウィンドウ等)の動作 |
エンジンルーム | オイル漏れや滲み、異音、冷却水の量や色 |
タイヤ | 溝の深さ、ひび割れ、製造年月日 |
書類 | 車検証、自賠責保険証、リサイクル券、定期点検整備記録簿の内容確認 |
試乗 | 発進、加速、減速、ハンドリングに違和感がないか、異音や異臭はしないか |
可能であれば、車に詳しい知人や友人に同行してもらうか、有料の「中古車鑑定サービス」などを利用するのも賢明な選択です。
ステップ2:価格交渉と契約締結
現車確認で納得できたら、価格交渉に入ります。交渉がまとまったら、事前に準備した契約書の内容を双方で読み合わせ、十分に理解した上で署名・捺印します。不明な点や納得できない点があれば、その場で必ず確認し、必要であれば内容を修正しましょう。
ステップ3:代金の支払いと書類の準備・受け渡し
契約締結後、買主は定められた期日までに代金を支払います。トラブルを避けるため、以下の点を徹底しましょう。
車両と代金の同時交換が理想: 車両の引き渡しと代金の支払いは、可能な限り同時に行うのが最も安全です。
振込の場合は着金確認を徹底: 売主は必ず着金を確認してから車両と書類を引き渡してください。
領収書の発行: 売主は必ず領収書を発行し、買主に渡しましょう。
【取引時に必要な書類一覧】
売主が準備する書類 | 買主が準備する書類 | |
普通自動車 | ①自動車検査証(車検証) ②自賠責保険証明書 ③自動車税(種別割)納税証明書 ④印鑑登録証明書(発行後3ヶ月以内) ⑤実印⑥譲渡証明書(実印を押印) ⑦委任状(実印を押印) ⑧リサイクル券 | ①印鑑登録証明書(発行後3ヶ月以内) ②実印 ③車庫証明書(自動車保管場所証明書) ④委任状(代理人が申請する場合) |
軽自動車 | ①自動車検査証(車検証) ②自賠責保険証明書 ③軽自動車税(種別割)納税証明書 ④認印 ⑤自動車検査証記入申請書 ⑥リサイクル券 | ①住民票の写しまたは印鑑登録証明書(発行後3ヶ月以内) ②認印 ③車庫証明(地域による) |
※車検証の住所と印鑑証明書の住所が異なる場合は、住民票や戸籍の附票など、住所の変遷を証明する書類が別途必要になります。
ステップ4:車両の引き渡しと名義変更
代金の支払いと必要書類の受け渡しが完了したら、車両を引き渡します。
引き渡し: 契約書で定めた場所と日時に車両を引き渡します。
名義変更: 買主は、新しい使用の本拠の位置を管轄する運輸支局(普通自動車)または軽自動車検査協会(軽自動車)で、車両の引き渡しから15日以内に名義変更(移転登録)手続きを行う必要があります。売主は、名義変更が完了したことを確認するため、後日、新しい車検証のコピーを買主から送ってもらうようにしましょう。これが完了するまで、取引は終わりではありません。
ステップ5:保険の手続き
売主: 任意保険の「中断手続き」を行います。これをしないと、等級がリセットされてしまいます。
買主: 車両の引き渡し前に、必ず任意保険の加入手続きを済ませておきましょう。無保険での運転は絶対に避けてください。自賠責保険の名義変更も忘れずに行います。
まとめ|リスクを理解し、賢い売却方法を選ぼう
ここまで、中古車個人売買のリスクと、それを回避するための具体的な手順を解説してきました。確かに個人売買は高く売れる可能性がありますが、そのためには専門的な知識と多大な手間、そして何より「トラブルに巻き込まれるかもしれない」という精神的な負担が伴うことをご理解いただけたかと思います。
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- リスクゼロ: 代金未払いや名義変更トラブル、売却後のクレームの心配は一切ありません。
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