交通事故を抑制する安全技術として注目されている「自動ブレーキ」。この自動ブレーキの搭載が、義務化されることになりました。義務化は段階的に進められており、新型車から優先的に適用が開始されています。また、今後は「継続生産車」も義務化の対象となります。
この記事では、自動ブレーキの義務化について詳しく解説します。既存車や中古車への影響にも触れていますので、車の買い替えや売却を検討されている方は、ぜひ参考にしてください。
なお、「自動ブレーキ」という呼び方は通称で、正式には「衝突被害軽減ブレーキ」といいますが、本記事ではわかりやすく「自動ブレーキ」で統一します。
目次
自動ブレーキ義務化はいつから?

2019年、国土交通省は、新型車への「自動ブレーキ」搭載を段階的に義務化すると発表しました。国産車と輸入車で開始時期が異なるほか、現在販売されている「継続生産車」についても今後義務化の対象となります。まずは、対象となる車種や開始時期について詳しく解説します。
新型車への義務付けは2021年11月から
日本における自動ブレーキの義務化は、新型車からスタートしました。ここで言う「新型車」とは、国土交通省が定める基準において「新たに型式指定を受ける自動車」です。新しいモデルの車種や、既に販売されている車や設計を大幅に変更したフルモデルチェンジ車などが該当します。
国産の新型車については、2021年11月以降にフルモデルチェンジして販売される車両が対象となり、義務化が開始されています。一方、輸入車の新型車に対する国内基準の適用は、国産車より遅れて2024年7月から開始されました。
継続生産車の義務化は2025年12月から
新型車に続いて、現在すでに生産されている継続生産車にも、自動ブレーキの義務付けが段階的に適用されます。継続生産車とは、新型車として既に届け出が行われており、現在も生産・販売が続いているモデルのことを指します。
継続生産車については、2025年12月から義務化が開始されます。軽トラックについては、2027年9月から適用される予定です。また、輸入車の継続生産車は、2026年8月から自動ブレーキの搭載が義務化されます。
自動ブレーキとは?義務化された背景

ここからは、自動ブレーキ義務化の背景に何があるのか、詳しく解説します。まずは、自動ブレーキの基本的な機能について見ていきましょう。
そもそも自動ブレーキとは
自動ブレーキとは、車が前方の危険を検知し、自動でブレーキを作動させる安全装置のことです。正式には「衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)」といいます。
車に搭載されたカメラやレーダーなどのセンサーが前方の車両や歩行者を検知し、衝突の危険があると判断した場合に警告を出す仕組みです。必要に応じて自動でブレーキをかけ、事故を回避・軽減します。
40カ国・地域で義務化に同意
自動ブレーキの義務化は、日本だけでなく、国際的な協調のもと進められています。動きの中心にあるのが、国連欧州経済委員会(UNECE)の下部組織「自動車基準調和世界フォーラム(WP29)」です。
WP29では、車両の安全基準について国際的な議論が行われています。自動ブレーキ義務化の起点となったのは、2019年2月に日本と欧州連合(EU)が主導し、日本を含む40カ国・地域が自動ブレーキの導入義務付けに関する国際基準の原案に合意したことでした。
アメリカや中国は合意に参加しませんでしたが、各国主要な自動車メーカーにおいては自動ブレーキの搭載が進んでいる状況です。
参照:日本主導で策定した国際基準が国連で合意!~さらに高度な自動運転システムやバックアラームなど~|国土交通省
高齢ドライバー・居眠り運転による事故の増加
自動ブレーキの義務化は、高齢ドライバーや居眠り運転による重大事故の増加という社会問題を背景に進められました。特に深刻だったのが、高齢運転者による事故です。
日本全体で交通事故死者数は減少傾向にある一方、高齢化に伴い、交通事故全体に占める高齢者の割合は高まっています。特に、70歳以上の高齢運転者による死亡事故では、操作ミス、中でもブレーキとアクセルの踏み間違いが主な原因となるケースが多く見られました。加齢による心身の変化が、こうした「間違える」事故につながりやすいと考えられています。
出典:令和5年度交通事故の状況及び交通安全施策の現況 特集 高齢者の交通事故防止について|内閣府
また、居眠り運転による重大事故も義務化を後押ししました。2012年の高速ツアーバス事故のような重大な事故を機に、高速バスへの自動ブレーキ搭載が義務化され、これが一般乗用車への義務化にもつながったと考えられます。
重大な事故を減らし、安全な交通社会を実現するために、自動ブレーキの義務化は重要な施策として推進されています。
自動ブレーキ義務化に伴い既存車・中古車はどうなる?

自動ブレーキ義務化に伴い、気になるのが、既存車や中古車への影響です。現在乗っている車に自動ブレーキ機能が搭載されていない場合、どうしたらよいのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
既存・中古車は自動ブレーキ非搭載でも問題ない
自動ブレーキの義務化は、あくまで新しく生産・販売される「新車」が対象です。
すでに販売されている既存の車や、中古車については、自動ブレーキが搭載されていなくても問題なく乗り続けられます。ドライバーに対する罰則もないため、車を買い替える必要はありません。
技術的に既存の車に自動ブレーキシステムを後付けすることは難しいため、搭載を希望する場合は新型車への乗り換えを検討する必要があります。
「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」を後付けすることも可能
後付けできる安全装置の一つに、「ペダル踏み間違い急発進抑制装置」が挙げられます。この装置は、駐車場でのペダルの踏み間違いによって起こる急発進を抑制するものです。
アクセルペダルの踏み込み量や速度などを検知し、システムが踏み間違いと判断すると、アクセルを踏んでも加速しないように制御します。自動ブレーキのように運転中の事故を抑止するものではありませんが、ペダルの踏み間違いによる事故防止に有効な手段の一つと言えます。
後付け装置には様々な種類があり、費用も異なります。車種によっては取り付けできない場合もあるため、専門業者やカー用品店に相談してみるとよいでしょう。
今後安全性能が充実した車の需要は高まる
交通事故発生件数は、全体として減少傾向にあります。加えて、高齢運転者による事故死者数(人口10万人あたりで見たとき)は、過去最少となりました。
出典:令和5年度交通事故の状況及び交通安全施策の現況 第1編|内閣府
交通事故発生件数減少の背景にあるのが、車両の安全性能向上です。自動ブレーキをはじめ、車線逸脱警報装置や先進ライトなどの最新の安全技術は、ドライバーの安全運転を強力にサポートし、事故のリスクを低減する効果があります。
古い車にお乗りの方で安全性能に不安がある場合は、新しい安全装備が充実した車への買い替えや、後付け可能な装置の検討、あるいは車の売却を検討することも有効な選択肢となります。
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