テレビやネットニュースなどで、「車のローン金利が上がる」と耳にし、ご自身の車のローンへの影響が心配になっている方も多いのではないでしょうか。物価やガソリン価格の上昇により家計が圧迫されているところに、さらに月々の支払いが増えるのは負担が大きく、不安に思うのも無理はありません。
住宅などと同様に、車のローン金利が上がる可能性は高いです。しかし、適切な知識と事前の対策で、金利上昇の影響を大幅に軽減できます。
そこで今回は、金利上昇に備える実践的な対策から、金利上昇で月々の負担がどのくらい増えるのかまで詳しく解説します。
本記事を通じて金利上昇への備えを万全にし、安心してマイカーローンを活用できるようになりましょう。
目次
【2025年最新】自動車ローン金利は上がっている?

「金利」は、自動車ローンの種類や契約内容によって異なります。そのため、「上がる」ことになっても、すべての人に同じように影響するとは限りません。
まずは、自動車ローンの金利について、以下の3つのポイントを解説します。
- 2025年現在の自動車ローン金利の動向
- なぜ自動車ローン金利が上がると言われるのか?主な理由を解説
- 今後の自動車ローン金利の見通しと情報収集のポイント
2025年現在の自動車ローン金利の動向
2024年3月に日本銀行がマイナス金利政策を解除した影響で、長期金利が少しずつ上がり始めました。事実、マイナス金利政策を終了した2024年3月は1.6%ほどだった長期プライムレートは、2025年6月時点で、2.25%まで上昇しています。
それにともなって自動車ローンの金利も以前より高くなりました。例えば、国内自動車販売台数2位のホンダの金融商品を取り扱う株式会社ホンダファイナンスは、2025年4月1日より以下のように金利を引き上げています。
対象車両 | 金融商品 | 2025年3月31日以前の金利 | 2025年4月1日以降の金利 |
四輪新車 | 残価設定型クレジット(残クレ) | 実質年率 4.3% | 実質年率 4.9% |
クレジット | 実質年率 4.9% | 実質年率 5.5% | |
四輪中古車 | 据置クレジット | 実質年率 4.3% | 実質年率 4.9% |
引用元:株式会社ホンダファイナンス
ご紹介したホンダに限らず、ほとんどの国内の自動車メーカーはローン金利を引き上げています。今後ローンを組む方は、数年前と比べて金利負担が増えることは避けられません。
なぜ自動車ローン金利が上がると言われるのか?主な理由を解説
自動車ローンの金利が上がる背景には、日本国内と世界の経済状況の変化が関係しています。まず、先ほどからお伝えしているように、日本では2024年3月、日本銀行がマイナス金利政策を終了しました。
これにより、低く抑えられていた金利が上がりやすくなり、長期金利も少しずつ上昇しています。さらに、世界的なインフレの進行や、アメリカやヨーロッパなど各国が金利を引き上げる「金融引き締め」をおこなっている点も見逃せません。
現在は、自動車ローンの変動金利に関係する「短期プライムレート」は大幅な金利の上昇は見られませんが、過去の経済の流れを見ても、大きな変化があれば金利が動くことも十分ありえます。今後も注意深く動向を見守ることが大切です。
今後の自動車ローン金利の見通しと情報収集のポイント
「三井住友DSアセットマネジメント」の「市川レポート」によれば、政策金利(現在0.5%程度)は、2025年6月の金融政策決定会合でも据え置かれる見通しです。というのも、2025年夏の時点では、日銀は政策金利を0.5%に据え置いており、当面は現在の金利水準が続くとの見方が有力とされています。
ただし、国債買い入れ減額の影響で長期金利には上昇圧力がかかっている点には注意が必要です。このような最新情報を知るには、日本銀行の公式サイトや信頼性の高い金融メディアをチェックするのがおすすめです。
また、各銀行のホームページにあるローンシミュレーターを使えば、金利が変動した際に返済額の変動を事前に確認することができます。
金利が上がると返済額はどうなる?【影響シミュレーション】

ここでは、金利上昇による負担増を具体的にイメージできるよう、以下の2ケースでシミュレーションしていきます。
- 金利0.5%上昇時の月々返済額・総支払額の変化(借入額・期間別)
- 金利1.0%上昇時の月々返済額・総支払額の変化(借入額・期間別)
金利0.5%上昇時の月々返済額・総支払額の変化(借入額・期間別)
まずは、自動車ローンの金利が0.5%上昇した場合の影響を、借入金額や返済期間ごとに見てみましょう。
借入金額 | 返済期間 | 月額増加 | 総支払増加 |
150万円 | 4年 | 約328円 | 約1.6万円 |
150万円 | 6年 | 約330円 | 約2.4万円 |
250万円 | 4年 | 約546円 | 約2.6万円 |
250万円 | 8年 | 約555円 | 約5.3万円 |
400万円 | 4年 | 約873円 | 約4.2万円 |
400万円 | 8年 | 約887円 | 約8.5万円 |
注目すべきなのは、返済期間を延ばしても毎月の負担が大きく下がるわけではないという点です。
むしろ、期間が長くなるほど利息の総額が増えるため、金利上昇の影響をより強く受けることになります。長期で借りる場合ほど、金利動向に敏感になる必要があるでしょう。
金利1.0%上昇時の月々返済額・総支払額の変化(借入額・期間別)
金利が1.0%上がると、返済負担は0.5%上昇時のほぼ2倍になり、家計への影響も無視できないレベルになります。借入額や返済期間ごとにどれほどの負担が増えるのか、以下の表をご覧ください。
借入金額 | 返済期間 | 月額増加 | 総支払増加 |
150万円 | 4年 | 約657円 | 約3.2万円 |
150万円 | 6年 | 約662円 | 約4.8万円 |
250万円 | 4年 | 約1,095円 | 約5.3万円 |
250万円 | 8年 | 約1,116円 | 約10.7万円 |
400万円 | 4年 | 約1,752円 | 約8.4万円 |
400万円 | 8年 | 約1,786円 | 約17.1万円 |
例えば、400万円を8年で返済する場合、金利が1.0%上がると月々の返済額や総支払額が大幅に増加します。具体的な金額は借入条件によって異なりますが、総支払額の差が新車購入時のオプション費用や諸費用に匹敵する金額となるため、決して軽視できない問題です。
自動車ローン契約前に確認すべき3つのポイント

自動車ローンを検討する際は、契約前に以下の3つのポイントを確認しましょう。
- 金利タイプ(固定・変動)の特徴と自身への影響
- 総支払額(金利以外の諸費用も要チェック)
- 契約内容の詳細(繰り上げ返済や将来の見直し条件など)
確認ポイント①:金利タイプ(固定・変動)の特徴と自身への影響を理解する
自動車ローンの金利タイプには、大きくわけて「固定金利」と「変動金利」があります。どちらを選ぶかによって、将来の返済額や家計への負担が大きく変わってくるため、その特徴を押さえておくことが不可欠です。
以下、固定金利と変動金利の違いを表にまとめました。ぜひ参考にしてください。
項目 | 定額利息型(固定金利) | 可変金利型(変動金利) |
利率変動 | 契約期間中変動なし | 市場利率に連動して変動 |
見直し頻度 | なし | 一般的に半年ごと |
当初利率水準 | やや高めに設定 | 比較的低めに設定 |
返済額の予測 | 完全に確定可能 | 変動により不確実 |
利率上昇時の影響 | 影響を受けない | 支払額が増加 |
利率下降時の恩恵 | 受けられない | 支払額が減少 |
固定金利の魅力は、やはり「安心感」にあります。契約時に毎月の返済額が決まり、その後も変わらないため、家計の見通しを立てやすくなるでしょう。返済期間が長いローンの場合、将来的な金利上昇の影響を受けずに済むのが魅力です。
ただし、固定金利は通常、当初金利がやや高めに設定されるため注意してください。金利がしばらく低水準で推移した場合、支払い総額が増える傾向にあります。
一方の変動金利は、市場の動きに応じて金利が上下します。当初金利が低く設定されやすいため、うまくいけば返済総額を抑えられるでしょう。とくに低金利が続く局面では、そのメリットを実感しやすくなります。
しかし、金利が上がった際、毎月の返済額がどの程度増えるかは事前に読みづらく、家計を圧迫するかもしれません。将来の変動に備えるには、ある程度の余裕を持った資金計画が求められます。
確認ポイント②:総支払額を把握する(金利以外の諸費用も要チェック)
金利はたしかに重要ですが、それだけでは自動車ローンの全体像を判断できません。見るべきは、手数料や保証料といった諸費用も含めた「総支払額」です。
一見、金利が低く見えるローンでも、別の費用が高ければ、トータルの負担が重くなるケースがあります。以下は、車両購入時に関わってくる代表的な項目です。
費用項目 | 一般的な金額・割合 | 備考 |
基本利率 | 年 0.8%~8.5% | 金融機関・商品により大幅に差異 |
保証料 | 借入額の 1%前後 | 一括払いまたは分割払い |
事務手数料 | 金融機関により異なる | 金融機関により設定方法が異なる |
団体信用生命保険料 | 年 0.1%~0.4%程度 | 任意加入の場合が多い |
印紙代 | 借入額に応じて定額 | 2万円以下(借入額により変動) |
たとえば、A銀行が金利年 2.3%で保証料は別、B銀行が金利年 2.9%で保証料込みという場合、一見するとA銀行のほうが安く見えます。しかし、保証料などを含めた総支払額で見ると、B銀行のほうが負担が少ないというケースも少なくありません。
このような違いを見抜くには、複数の金融機関やローン商品から見積もりを取り、金利だけでなくすべての費用を含めた比較検討が必要です。その際は、実質年率といった指標にも注目しておくと、利息と諸費用を含めた実質的な負担率がわかり、総支払額を把握しやすくなります。
確認ポイント③:契約内容の詳細をチェックする(繰り上げ返済や将来の見直し条件など)
自動車ローンを契約するときは、「もし将来プランを見直すことになったらどうするか」といった視点も大切になります。たとえば、家計に余裕ができたときに繰り上げ返済をしたり、金利状況の変化に合わせてローンの借り換えを検討したりする場面があるかもしれません。
その際、事前に契約条件を確認しておくことで、柔軟に対応できるようになります。自動車ローンにおいて、事前に確認すべきポイントをまとめたのでご覧ください。
確認項目 | チェックポイント | 注意事項 |
繰り上げ返済手数料 | 無料~1万円程度 | ネット手続きで無料の場合あり |
最低返済額 | 1円~50万円程度 | 金融機関により大幅に差異 |
申込方法 | 店舗・電話・ネット | 手続きの簡便性に影響 |
所要期間 | 即日~3週間程度 | 急な資金需要時に重要 |
解約時違約金 | 無料または契約条件による | 借り換え検討時に影響 |
期限前完済規定 | 制限の有無 | 一括返済時の条件 |
特に繰り上げ返済は、総返済額を大きく減らせる手段です。手数料がかかるかどうか、最低返済額に制限があるかどうかなど、細かい条件は金融機関ごとに異なります。
また、ローン期間中に金利の動きが大きく変われば、より有利な条件で借り換えを検討したくなることもあるでしょう。そういった将来の可能性を見据えて、あらかじめ解約時の違約金や完済条件まで確認しておくと安心です。
自動車ローン金利上昇への具体的な対策5選

ここでは、借入額の見直しや返済計画の調整、ローン商品の選び直しまで、実行しやすく効果も期待できる対策として、以下の5つをご紹介します。
- 頭金を増やして借入額を減らす
- 無理のない返済計画を立て、借入期間を適切に設定する
- 金利の低いローン商品を探す・金利交渉も視野に
- 【既存ローン利用者向け】繰り上げ返済を検討する
- 【既存ローン利用者向け】より低金利なローンへの借り換えを検討する
対策①:頭金を増やして借入額を減らす
頭金を多く用意して借入額を減らすことは、金利上昇の影響を根本から軽減できる、もっとも効果的な方法です。たとえば、280万円の車を購入する際、頭金を40万円から90万円に増やせば、借入額が240万円から190万円に減ります。金利が年2.8%の場合、年間約1万4,000円の利息を削減できると試算されます。
現在乗っている車がある方は、高値で売却して頭金にあてる手もあります。市場価値を正確に把握したうえで、複数の買取業者に査定を依頼すれば、より高い金額で売れる可能性があります。
対策②:無理のない返済計画を立て、借入期間を適切に設定する
返済期間は、家計の余裕や将来の収支見通しを踏まえて、無理のない範囲で柔軟に設定することが重要です。期間を短くすれば利息の総額は抑えられますが、そのぶん毎月の返済額が増えるため、家計を圧迫するおそれがあります。
短期間で返済するほど利息は少なく済みますが、その分の負担が、日々の生活にどう影響するかを考慮しなければなりません。一方、期間を長めに設定すれば月々の負担は軽くなりますが、総支払額は増えます。
利息と月額のバランスを見極めながら、無理のない現実的な返済プランを立てましょう。
対策③:金利の低いローン商品を探す・金利交渉も視野に
自動車ローンは、金融機関によって金利設定は大きく異なるため、複数のローンを比較しながら、条件のいいものを見極めましょう。注目すべきは、銀行や信用金庫などが実施しているキャンペーンです。期間限定で金利が引き下げられていることがあり、通常よりも有利な条件で契約できる可能性があります。
さらに、申し込み前に複数の金融機関で審査を受けておくと、その結果を参考に金利の比較が可能です。特に借り換えの場合は、他社の条件を提示することで、金利の引き下げ交渉が可能になる場合があります。
対策④:【既存ローン利用者向け】繰り上げ返済を検討する
変動金利型のローンを利用している場合は、金利が上がる前に繰り上げ返済をおこなうことで、将来の利息負担を大きく軽減できます。元本を早めに減らせば、それ以降にかかる利息も抑えられるため、金利上昇の影響を受けにくくなるでしょう。
特に変動金利は市場金利に連動して上昇する可能性があるため、繰り上げ返済は有効なリスクヘッジになります。今後の負担を事前にコントロールする手段として、繰り上げ返済を早めに検討することをおすすめします。
対策⑤:【既存ローン利用者向け】より低金利なローンへの借り換えを検討する
現在契約しているローンの金利が高い場合は、より低金利のローンへ借り換えることで、総支払額を減らせる可能性があります。なかでもディーラー系の高金利ローンを利用している方は、銀行系のローンへ切り替えることで、年利にして1〜3%ほどの差が出ることも少なくありません。
借り換えを検討する際は、現在のローン残高、残りの返済期間、新たに組むローンの金利、そして借り換えにかかる手数料などをすべて含めて比較することが大切です。こうした要素を総合的に踏まえたうえで、実際にどれだけのメリットがあるかを試算しましょう。
まとめ|自動車ローン金利上昇に備えよう!車の買い替えをご検討なら「最強買取」への売却がおすすめ
自動車ローンの金利は、2024年3月からの「マイナス金利政策の解除」をきっかけに上昇傾向にあり、車を購入する際の資金計画はこれまで以上に重要となりました。そのため、固定金利と変動金利の違いを正しく理解し、総支払額や契約条件を比較しながら、自分に合ったローンを選びましょう。
少しでも負担を減らすために効果的な対策として、以下の5つが挙げられます。
- 頭金の増額
- 返済計画の見直し
- 低金利ローンの選択
- 繰り上げ返済
- 借り換え
なかでも、頭金の増額は効果的です。その「頭金」をなるべく多く用意するための方法のひとつに、「今乗っている愛車を高く売却する」ことが挙げられます。
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