車のエンジンからおかしな音が聞こえたことはありませんか?そんな時、「どこかに異常があるのか」「修理が必要なのか」など、不安になるのは当然です。ただ、街中でも車のエンジン音がおかしい車を見かける機会があることから、「そのままにしておいても大丈夫だろう」と考え、放置してしまう人も少なくありません。
しかし、車のエンジン音がおかしい場合は、何らかの異常が発生している可能性が高いです。放置しているとエンジンの状況が悪化し、最悪の場合はエンジンが完全に停止してしまうリスクもあります。
この記事では、車のエンジン音がおかしい原因や対処法について解説していきます。
この記事でわかること よくあるエンジン異音の種類と原因 エンジン音がおかしい場合の応急処置の方法 エンジン異音を放置するリスクと修理費用の目安 修理業者の選び方と注意点 |
ぜひ最後まで読み、エンジン音がおかしい場合の対処法を学んでください。
目次
よくあるエンジン異音6つの種類と原因をチェック

車のエンジン音がおかしいといっても、異音の種類によって想定される原因は異なります。エンジンの異音に素早く対処するために、異音の種類と原因について理解を深めましょう。
異音の種類と、考えられる原因は以下のとおりです。
- 【キュルキュル音】ファンベルトの緩み、劣化
- 【カタカタ音、ガラガラ音】ウォーターポンプの破損
- 【ヒューン音】オルタネーターの不具合
- 【ウォーン音】エアコンのコンプレッサーの不具合
- 【キンキン音、カンカン音】エンジンオイルの不足、劣化
- 【ボンッという破裂音】排気系の不具合
それぞれ詳しく解説していきます。
【キュルキュル音】ファンベルトの緩み、劣化
エンジンから「キュルキュル」という音が聞こえた場合、ファンベルトに異常があると考えられます。ファンベルトの役割は、冷却水(クーラント/LLC)を循環させるウォーターポンプを作動させることです。
ファンベルトが緩んだり、劣化すると「キュルキュル」という異音が聞こえるようになり、次第に以下のような故障を引き起こすことになるため注意が必要です。
- エアコンが効かない
- パワステの機能が低下しハンドルが重くなる
- オーバーヒートを引き起こす
異音はエンジン始動時やエアコン使用時、加速時などに多く発生し、状態が悪化すると音が大きくなる傾向にあります。
【カタカタ音、ガラガラ音】ウォーターポンプの破損
エンジンから「カタカタ」や「ガラガラ」という音が聞こえた場合は、ウォーターポンプやオルタネーターなど、エンジン内部の部品に不具合が生じている可能性があります。
これらの部品は、素人では修理や交換が難しいため、早急にプロに点検してもらいましょう。それぞれの役割は以下のとおりです。
部品名 | 役割 |
ウォーターポンプ | エンジンを冷やす冷却水の循環。オーバーヒートを防ぐ。 |
オルタネーター | エンジンの回転を利用して発電し、バッテリーを充電する。 |
異音が発生し、各部品の状態が悪化すると以下のような症状が現れます。
- エンジンの停止
- オーバーヒート
特に異音が大きくなったり、金属が擦れるような音に変わったりする場合は、これらの故障が発生する可能性が高くなるため注意が必要です。
【ヒューン音】オルタネーターの不具合
エンジンから「ヒューン」という音が聞こえた場合は、オルタネーターの不具合が疑われます。オルタネーターは簡単にいうと「発電機」の役割を果たしており、故障すると電力を供給できず、エンジンが停止する恐れがあります。
走行に直接影響を与える部品のため、異音が聞こえた場合は速やかに修理業者に点検してもらいましょう。
【ウォーン音】エアコンのコンプレッサーの異常
エンジンから「ウォーン」という異音が聞こえた場合は、エアコンのコンプレッサーに不具合が生じていると考えられます。特に、エアコンのスイッチを入れた際に異音が発生するのであれば、コンプレッサーの問題を示唆している場合が多いでしょう。
コンプレッサーは、エアコンの冷媒ガスを圧縮して循環させる役割を担っており、車内の温度を調整するうえで欠かせない部品です。コンプレッサーが故障すると、エアコンが効かなくなったり、エアコンガスが漏れたりする可能性があるため注意が必要です。
また、コンプレッサーはエンジンの動作にも直接的に影響を与えるため、異音が聞こえた場合は早急に対応するようにしましょう。
【キンキン音、カンカン音】エンジンオイルの不足、劣化
エンジンから「キンキン」や「カンカン」という音が聞こえる場合、さまざまな原因が考えられますが、ノッキングによって異音が発生しているのであれば、エンジンオイルの不足や劣化が原因の一つとして考えられます。
ノッキングとは 自動車内で異常燃焼が発生し、異音や振動が発生する現象のこと。放置すると以下のような故障につながるおそれがある。ピストンやコンロッドの破損シリンダーヘッドの損傷エンジンブロー |
エンジンオイルが不足・劣化すると、異音の発生やエンジン音が大きくなる、振動が増えるなどの症状が発生し、最悪の場合エンジンが突然止まってしまうケースもあります。「キンキン、カンカン音」は発生するタイミングや場所、状況によって原因が異なります。
応急処置をしても異音が解消されない場合は、速やかに修理業者で点検を受けましょう。
【ボンッという破裂音】
エンジンから「ボンッ」という破裂音が聞こえた場合の原因としては、マフラーの損傷や排気系のトラブルであるアフターファイヤーの可能性が考えられます。
アフターファイヤーとは マフラーから「ボンッ」と爆発音が発生したり、一瞬炎が出る現象のこと。エンジンが何らかの原因によって不完全燃焼を起こし、未燃ガスを輩出することで発生する。 |
アフターファイヤー自体は故障の直接的な原因ではありませんが、何らかの異常によって発生している可能性が高いため対処が必要です。
原因は多岐にわたりますが、排気系のトラブルも疑われますのでマフラーに穴が開いていないかなどを確認しましょう。原因の特定が難しく、頻発するようなら専門機関での点検をおすすめします。
自分でできる3つの応急処置とその手順

車のエンジンから異音が聞こえた場合は、応急処置を検討しましょう。しかし、箇所によっては、整備士などの資格がないと修理は困難です。
自分で応急処置するか、もしくはプロの修理業者に任せるかを判断し、対応を行うようにしましょう。
自分でできる応急処置
エンジンから異音が発生した際に自分でできる応急処置としては、以下の3つが挙げられます。
- エンジンオイル確認と補充
- 冷却水の確認と補充
- ベルトの緩みの確認
エンジンオイルの確認と補充
エンジンオイルは、エンジン内部で潤滑、密封、冷却、清浄、防錆の5つの役割を果たす、エンジンにとって血液のような存在です。
- 潤滑: 部品同士の摩擦を減らし、摩耗を防ぐ
- 密封: 燃焼ガスの漏れを防ぎ、パワーを維持
- 冷却: エンジンを適切な温度に保つ
- 清浄: 汚れを吸着し、エンジン内をきれいに保つ
- 防錆: 錆びを防ぐ
エンジンオイルが劣化・不足すると、エンジン損傷、燃費悪化などの問題が起こります。
点検の手順は以下のとおりです。
- ボンネットを開ける
- オイルレベルゲージを引き抜く
- オイルを拭き取り、再び差し込んで引き抜く
- 付着したオイルの色、状態、量の確認
確認したオイルが正常かどうか、以下の表を参考にチェックしてみてください。
確認事項 | 正常時 | 異常時 | 異常時の応急処置 |
オイルの色 | (新品)透明感のある琥珀色 | 劣化するにつれて黒ずんでくる | オイル交換(5000km~15000kmが目安) |
オイルの量 | レベルゲージの上限(FまたはMAX)と下限(LまたはMIN)の範囲内 | 下限(LまたはMIN)を下回っている | オイルの補充、オイル漏れがないかチェック |
オイルの状態 | サラサラ | ドロドロ、白濁している、泡立っている | オイル交換(5000km~15000kmが目安)、著しく悪い場合は整備工場での点検 |
冷却水(クーラント/LLC)の確認と補充
車の冷却水(クーラント/LLC)は、エンジンを冷却し、オーバーヒートを防ぐ液体です。エンジン内部の熱を吸収し、ラジエーターで放熱し、適切な温度を保ちます。主な役割は以下の通りです。
- エンジン冷却
- 凍結防止(不凍液)
- 防錆
冷却水(クーラント/LLC)は定期的な点検と交換が推奨されます。以下の手順で確認してください。
- ボンネットを開ける
- リザーバータンク(半透明のプラスチック製タンク)を探す
- 量や状態を目視で確認
確認した冷却水(クーラント/LLC)は、以下の表を参考にして異常がないかチェックしてください。
確認事項 | 正常時 | 異常時 | 異常時の応急処置 |
冷却水の量 | タンク側面の「FULL(上限)」と「LOW(下限)」の目盛りの間に液面がある | LOW(下限)を下回っている | 冷却水の補充、漏れがないか確認/点検 |
冷却水の色 | 青、赤、緑など新品時の色 | 著しい変色(茶色、黒、白濁など) | 冷却水の交換 |
異物 | 異物無し | 異物(錆、ゴミなど)の混入 | 冷却水の交換 |
ベルトの緩みの確認
車のベルトは、エンジンの動力を補機類に伝える重要な部品で、主にファンベルトとタイミングベルトがあります。どちらもエンジン動作に不可欠で、劣化や切損は重大な問題を引き起こします。
定期点検と、ファンベルトは5万〜10万km、タイミングベルトは10万km程度を目安に、状態に応じた交換が必要です。タイミングベルトはカバーで覆われていることが多く点検は難しいですが、ファンベルトに関しては確認できます。手順は以下を参考にしてください。
- ボンネットを開けファンベルトの位置を確認する
- ひび割れ等を目視で確認する
- ファンベルトの張りを目視と指で押して確認する
異常があった場合の対処法は以下の通りです。
確認事項 | 正常時 | 異常時 | 異常時の応急処置 |
ファンベルトに劣化がないか(目視) | 異常なし | ひび割れ、異常摩耗 | なるべく早く交換 |
ファンベルトの張り(指で押す) | 適度にたわむ | 張りすぎ、緩みすぎ | 車種によっては締め付け可能 |
修理の依頼が必要な場合
エンジンから異音が発生し、修理の依頼が必要なケースとしては、以下の3つが挙げられます。
- 異音の原因を直せなかったとき
- 異音の原因を特定できなかったとき
- エンジン警告灯が点灯しているとき
車のエンジン音がおかしく、自身で改善できない場合は、なるべく早く修理業者へ依頼しましょう。異音を放置したまま乗り続けると、状態がさらに悪化する可能性があります。
修理が高額になる場合は、買い替えも検討するべきです。修理費用の見積もりと同時に、最短1分で愛車の仮査定額が分かる最強買取の「LINE査定」や「最強写メ査定」をご利用ください。そうすることで、修理か買い替えかの判断がスムーズになります。
エンジン異音放置のリスクと修理費用の目安

エンジンから異音が聞こえているのに修理せずに放置すると、さまざまなリスクが発生します。重大な事故につながる可能性もあるため、なるべく早く適切な対応を取るようにしましょう。
エンジン異音は放置厳禁
エンジンからの異音の放置は厳禁です。エンジンから異音が聞こえた時点で、車には何らかの異常が発生しており、放置するとさらに状態が悪化するためです。特にウォーターポンプやオルタネーターなど、エンジンの駆動に直接かかわりのある部品に異常がある場合は、突然エンジンが停止してしまい重大な事故につながる危険性があります。
また、放置すると部品の状態が悪化し、修理ができなくなる可能性もあります。修理が不可能になった場合、部品を丸ごと交換する必要があり、修理費用が高額になります。異音が発生したら放置せず、原因を突き止めて早めに対処しましょう。
修理内容別の修理費用
異音の種類別に想定される修理費用を表にまとめました。修理するか、買い替えるかの目安にしてください。
音の種類 | 修理内容例 | 修理(交換)費用目安 |
キュルキュル音 | ファンベルトの交換 | 5,000~10,000円 |
カタカタ音・ガラガラ | ウォーターポンプ交換(軽微な異常であれば修理) | 【修理】10,000~30,000円【交換】15,000~60,000円 |
ヒューン音 | オルタネーター交換 | 20,000~100,000円 |
ウォーン音 | コンプレッサーの交換(修理) | 【修理】10,000~30,000円【交換】50,000~150,000円 |
キンキン音・カンカン音 | エンジンオイル交換 | 3,000~10,000円 |
ボンッ・ボー音 | マフラー交換 | 50,000~ |
信頼できる修理業者の選び方と注意点

車のエンジン音がおかしく、先ほど紹介した応急処置でも症状が改善しない場合は、修理業者への依頼を検討してみてください。
とはいえ、多数の修理業者が存在するため、選び方のポイントや注意点を理解しておくことが重要です。
まずは各業者の特徴を知ろう
まずは、どの種類の業者に依頼するかを決めるために、各業者で修理を依頼した場合の特徴について見ていきましょう。
業者 | 特徴 | メリット | デメリット |
ディーラー | メーカーの正規販売店 | 純正パーツを使用取り扱いメーカーの車種への専門知識が豊富 | 比較的高価 |
整備工場 | 個人や中規模の企業が運営する民間の整備工場 | 修理を専門としておりノウハウが豊富ディーラーよりも安価 | 店舗によりサービスの品質や価格が大きく異なる |
カー用品店/ガソリンスタンド | カー用品やガソリンの販売をメインとする傍ら、整備もする | 他の修理業者よりも価格が低い店舗が多く身近 | 軽微な整備しか対応できない |
特徴やメリット、デメリットを踏まえ、自分に合った業者を選びましょう。
口コミサイトやSNSでの評判を参考にする
修理業者を選ぶ際は、業者の公式サイトだけでなく実際にその場所で修理した利用者の口コミやSNSでの評判も参考にしましょう。修理業者の中には、公式サイトに「利用者からの声」というページを設置し、口コミを掲載している場合がありますが、基本的に良い内容のみが記載されています。
実際の対応品質や料金を知るためには、良い評判だけでなく悪い評判も記載されている口コミサイトやSNSを参考にすることが重要です。
整備士の資格や経験、工場の設備などを確認する
修理業者を選ぶ際は、整備士の資格や経験、工場の設備などを確認するようにしましょう。整備士の資格や経験が豊富な修理工場であれば、希少性の高い車種や輸入車でも、問題なく修理してくれます。
公式サイトで整備士の資格や経験を公表している修理業者は少ないですが、信頼性を判断する一つの要素として参考にしてください。
売却を検討しているなら最強買取で無料査定を受けてみよう

今回は、車のエンジン音がおかしい原因と対処法、修理費用について解説してきました。車のエンジン音がおかしい場合、内部で何らかの異常が発生しているケースが多く、放置するとエンジンが突然停止したり、修理費用が高額になったりする可能性があります。
高額な修理費用が発生する可能性もあるため、そのような場合は、修理だけでなく買い替えも検討しましょう。年間10,000台以上を取り扱い、全国トップクラスの実績を誇る最強買取の「LINE査定」や「最強写メ査定」なら、愛車の仮査定額を最短1分で提示できます。
エンジンから異音が聞こえる車だけでなく、エンジンが止まってしまった不動車の買取にも対応しているため、ぜひ一度現在の車の価値を調べてみてください。

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