車売却後のキャンセルは可能？知っておくべきポイントと対処法

車売却の手続きを進めていたものの、急な事情で車を手放せなくなった経験はありませんか。大きな取引だからこそ「売却のキャンセルはできるの？」「違約金は発生する？」と不安を感じる方も多いでしょう。

この記事では、車売却後にキャンセルができる・できないケース、違約金の相場と内訳を解説します。「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないためにも、安心して取引を進めるための知識を身につけていきましょう。

車売却のキャンセルが可能なケース

車の売却は高額な取引です。そのため、キャンセルできるのかどうか、不安に感じる方もいるでしょう。結論から述べると、車売却後でもキャンセル可能な場合があります。

ここでは、それぞれのケースについて詳しく解説します。

そもそもクーリング・オフ制度は適用されない

まず知っておきたいのは、車の売却において「クーリング・オフ制度」が適用されない点です。クーリング・オフ制度とは、訪問販売や電話勧誘など、消費者側が不利な状況で行われた契約を一定期間内であれば無条件で解除できる制度です。

車売却は基本的に、店舗やインターネットを通じて、消費者自身が売却先を選び、交渉して契約を結ぶため、クーリング・オフ制度の対象外となります。車売却後に「やっぱりキャンセルしたい」と思っても、簡単に取り消しはできない点に留意しましょう。

契約前の場合は基本的に自由にキャンセルできる

車売却において、売買契約を締結する前の段階であれば、基本的に自由にキャンセルできます。口頭の契約は「口約束」にあたり、法的効力があります。

しかし、相手側に損害がなく、お互いの合意があれば変更可能です。車売却後にキャンセルしたくなったときは、契約書にサインする前に取り止めの旨を申し出ましょう。

ただし、買取業者が手続きを進めてしまっていたり、言った言わないの水掛け論に発展したりと、後々トラブルに発展する可能性もゼロではありません。キャンセルを申し出る際は、誠意をもって対応しましょう。

契約後で車両引き渡し前の場合は条件次第でできる

契約書を交わした後でも、車両の引き渡し前であれば、キャンセルできる可能性があります。ただし、あくまで可能性であり、必ずキャンセルできるとは限りません。

キャンセルできるかどうかは、契約内容や業者の対応によって異なります。例えば、契約書にキャンセルに関する条項があれば、それに従って手続きを進められます。

キャンセルに関する条項がなくてもキャンセルできる場合はありますが、違約金を請求される可能性もあるため注意が必要です。

車両引き渡し後でもキャンセルできる可能性はある

車両引き渡し後となると、キャンセルは非常に困難になります。車を買い取った業者は、すぐに次の買い手探しやオークションへの出品、車両の輸送や整備などの手続きを進めてしまうからです。

もし車両引き渡し後にキャンセルせざるを得ない状況になった場合は、すぐに買取業者に連絡し、事情を説明しましょう。状況によっては、違約金を支払うことでキャンセルに応じてくれる可能性があります。

ただし、違約金の金額や支払いに応じるかどうかは、買取業者の判断に委ねられます。キャンセルができない場合があることも念頭に置いておきましょう。

車売却のキャンセルが不可能なケース

車売却の契約後、キャンセルができないケースも当然あります。例えば、以下のようなケースでは、売却のキャンセルが難しいと思った方がよいでしょう。

• キャンセルできる期間が過ぎている
• オークションへ出品している
• すでに買い手が決まっている
• 車両の移動・整備が開始されている

以下で詳しく解説します。

キャンセルできる期間が過ぎている

車売却の契約書には、一般的に「キャンセルできる期間」として「契約後〇日以内」といった文言が記されています。契約後にキャンセルを希望する場合、この期間内であれば、契約を解除できる可能性があります。

この解約期間を過ぎてしまうと、原則として契約は有効となり、キャンセルは認められません。契約の締結は「記載内容に同意し、納得した」とみなされます。たとえ契約内容を詳しく確認していなかったとしても、売主の落ち度となってしまうのです。

すでに次の買い手が決定している

次の買い手が決まっている場合、キャンセルはほぼ不可能です。なぜなら、買取業者は買い手が見つかると「売買契約」を結ぶからです。

この段階で売主都合のキャンセルを申し出ると、買取業者は次の買い手との契約を破棄せざるを得なくなります。結果として、買取業者だけでなく、次の買い手にも損害を与える可能性があります。

買取業者の信用問題にも関わってくるため、売主の都合によるキャンセル受け入れは極めて難しいでしょう。

業者がオークションに出品している

車がオークションに出品されている場合も、キャンセルは難しいでしょう。出品時点で業者側は手続き、輸送費、出品手数料などの費用を負担しているためです。

仮にキャンセルできたとしても、これらの費用に加えて、オークション運営側へのキャンセル料を請求される可能性があります。また、出品の取り下げは、業者とオークション運営側との信用問題に発展する恐れもあります。

オークション出品後のキャンセルは、業者側にとって費用負担と信用問題に発展するリスクのある行為です。そのため、オークション出品後はほぼキャンセルできないと考えたほうがよいでしょう。

車両の移送・メンテナンスが開始された

買取先が決まっておらず、オークションにも出品されていない場合でも、車両の移送やメンテナンスが開始されているとキャンセルできない場合があります。

車両の移送やメンテナンスが開始された時点で、すでに費用が発生しています。もしキャンセルする場合は、車両を移動させるための移送費や、移動やメンテナンスに従事する従業員の費用、メンテナンスで交換が必要になった部品代などが請求される可能性が高いと考えましょう。

車売却をキャンセルした際に違約金はかかるのか

車売却の契約をキャンセルしたとき、気になるのは違約金の金額ではないでしょうか。一般的に、売買契約書に違約金に関する条項が記載されている場合、その内容に基づいて違約金が請求されます。

ここでは、違約金の相場と内訳、高額な違約金を請求された場合の対処法について解説します。

一般的な違約金の相場と内訳

車売却後のキャンセルでは、違約金が発生する場合があります。金額は業者やキャンセル時の状況によって異なりますが、一般的には数万円程度が相場です。

違約金には、以下のような費用が含まれます。

＜違約金の内訳＞

• 人件費
• 車両保管費
• 車内クリーニング費
• 陸送費
• その他（メンテナンス費用、手続き費用など）

消費者契約法第9条では「消費者がキャンセル料の内訳について説明を求めた際、事業者は説明する努力義務を負う」と定められています。

高額な違約金を請求されるケースもあるため、キャンセル料が発生するかどうか、どのような内訳で請求されるのかを事前に確認しておくと安心です。

高額な違約金請求をされた場合の対処法

高額な違約金を請求された場合は、国民生活センターもしくは日本自動車購入協会に相談してください。消費者契約法によれば、違約金は事業者が顧客と契約を解除した際に被る損害の平均額と定められています。

内訳を確認し、あまりにも高額だと感じたときは、上記の機関や弁護士などの専門家に相談しましょう。焦らず冷静に状況を判断し、適切な対応を取ることが大切です。

トラブルを回避するための車売却時の注意点

車売却後のトラブルを避けるためには、事前の準備や確認が重要です。

• キャンセルポリシーの確認
• 家族への相談
• 売却後のライフスタイルの検討

上記の点に注意して、売却後のトラブルを防ぎましょう。

契約前にキャンセルポリシーを確認する

車売却の契約を結ぶ前に、必ずキャンセルポリシーを確認しましょう。キャンセルポリシーとは、契約をキャンセルする場合の条件や違約金などを定めたものです。

＜キャンセルポリシーで確認したいポイント＞

• キャンセルの可否
• キャンセル料金
• キャンセルできる時期
• キャンセルの申し出方法

キャンセルポリシーの内容は業者によって異なるため、事前にしっかりと確認しておきましょう。疑問点があれば、契約前に必ず業者に確認してください。

家族に後から反対されないよう、事前に合意を得てから契約する

車を売却する際には、家族の同意を得ておくことが重要です。万が一、家族の同意を得ずに売却を進めてしまい、後からキャンセルすることになった場合、高額な違約金を請求される可能性もあります。

車を売却する際は、なぜ売却する必要があるのか、移動手段はどうするのか、といった情報共有を行い、家族全員が納得したうえで売却を進めることが大切です。家族間トラブルに発展する恐れもあるため、事前にしっかりと話し合いをしておきましょう。

売却後のライフスタイルなどをじっくりと考える

車を売却すると、これまでのように気軽に車を使えなくなる可能性があります。車を手放した後、生活にどのような変化が生じるのか、事前にしっかりと考えておくことが重要です。

例えば、「通勤や通学はどうするのか？」「子供の送り迎えはどうするのか？」「買い物はどうするのか？」「レジャーにはどうやって行くのか？」などを考えましょう。

売却前にしっかりとシミュレーションしておくことで、売却後に「やっぱり車が手放せない」と後悔するリスクを減らせます。

車の買取は最強買取にお任せください

車売却をキャンセルできるケース、できないケース、違約金が発生するケースなどを見てきました。売却後に「こんなはずじゃなかった……」と後悔しないためにも、売却前にしっかりと準備しておくことが大切です。

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