傷ありの車は査定額が低くなる？売却前の準備は？

車を売却する際、傷の有無は査定額に大きく影響します。無傷の車が最も高く評価されるのは当然ですが、軽い傷や深い傷がある場合の査定への影響はどのように変わるのでしょうか？本記事では、傷の種類や程度に応じた査定額の変化を解説し、売却前にどのような準備をすれば良いのかを紹介します。

傷の種類と買取額への影響

車を売却する際、その状態は査定額に大きく影響します。

特に、車体にある傷の種類と程度によって、その評価は大きく変わることがあります。

「無傷」の車はもちろん、最も高く評価されますが、傷がある場合の査定への影響はどのように表れるのでしょうか？

この記事では、傷がある車の査定額への影響を、修理の有無に応じて詳しく解説します。

結論から述べると、大まかに以下のような順になります。

無傷 < 傷なし（補修あり） < 傷あり < パネル交換あり < 事故歴や修復歴あり

無傷の車ほど査定額が高くなることは自明の理ですが、詳細を確認することでより良い売却準備が可能になります。それでは、この点について具体的に解説していきましょう。

浅い傷の影響

クルマを所有していると何らかの理由でボディをこすったり、凹ませてしまうことがあります。

また、傷や凹みに関しては、前後バンパーのこすり傷や、ホイールのガリ傷といった軽微なものでもかなりのマイナス査定になってしまいます。

10万円以内で修理できるのであればきれいに修復してから査定してもらうことも一つの選択肢です。その程度であれば査定結果で相殺できる確率があるからです。

ただし洗車傷と呼ばれる自動洗車機の使用に伴う細かい傷に関してはマイナス査定になる可能性は低いです。

もちろん洗車傷が無いに越したことはありませんが、洗車傷がなければ買取査定アップへの材料としてアピールするのがいいでしょう。

深い傷の影響

深い傷に関しても買取査定額に影響を与えてしまいます。傷の面積や長さが広くなるほど買取金額への影響は大きくなります。

しかしながら、この場合は買取査定前に修理をすることはオススメできません。なぜなら、傷を修理することで上がる買取査定額よりも、修理にかかる費用のほうが多くなってしまう場合が多いからです。

傷の修復は修復歴になるのか

「修復歴」という言葉に関してよくある誤解を解消しましょう。多くの方が「修復歴の有無」と「板金塗装による修理」を混同してしまいがちです。「修復歴あり」とは、自動車の骨格部分にダメージが及んでおり、それを元の状態に近づけるために修理した場合を指します。修復歴がある場合には、その車の査定額に大きく影響します。

一方で、バンパーやドアなどの表面に傷がつき、それを板金塗装で修理した場合は、確かに「修復」はされていますが、これは「修復歴あり」とはみなされず、「板金歴あり」となります。「バンパーをこすってしまった」、「ドアの角に傷がついてしまい板金塗装を行った」、そのような場合は「修復歴あり」には該当しないのでご安心ください。

しかし、板金修理を施しただけでも同様に査定額に影響が出ることがあります。特に注意が必要なのが「パネル交換」です。

例えば、へこんだドアパネルを板金修理するよりも新品に交換する方が良いと考えることは早計かもしれません。事故歴や修復歴ほどではないにせよ、「パネル交換歴あり」と判断されることがあり、これは事故の損傷がひどかったと思われがちなため、板金塗装以上に査定額に大きな影響を与えることを覚えておいてください。

傷がある車の高額買取を実現するポイント

「車を効果的に売却するための準備は何か？」と疑問に思われる方も多いですね。こちらでは、車の内外装を清潔に保つことから目立つ傷の修理に至るまで、重要なポイントを詳細にご説明します。

車内外の徹底的な清掃で良い印象を与える

車を売却予定であれば、わざわざ洗車しないで査定を受けても問題ないと思うかもしれません。あるいは、洗車をしない方が傷を隠せると考えることも…。しかし、これは間違いです。

査定士は自動車の状態を精密に評価するプロフェッショナルです。つまり、相手は専門家。車が汚れていても、体についた傷を見落とすことはありません。

ではなぜ清掃が必要か。それは査定当日に車が内外装ともに汚れた状態であれば、望むような評価は望めないからです。

時間がない場合は、ガソリンスタンドで洗車を依頼するのも一つの方法です。何よりも、車が清潔な状態で査定を受けることをお勧めします。これだけで査定士の印象は大きく向上します。

車内が物で溢れかえっていたり、フロアマットが泥や砂で汚れている状態では、査定士がその車の良さを見出す気持ちも薄れてしまいます。

査定の前日や当日には、車全体の洗車と清掃を行うことが理想的です。これにより、査定士に与える印象が向上します。

外装の場合は、外装の洗車はもちろん、ホイールのダストやドアの内側、ホイールハウスの汚れをしっかりと落としましょう。

内装については、掃除機をかけ、ホコリや細かな砂を除去します。フロアマットは取り外してブラシでこすり、水洗い後にしっかり乾かすと、驚くほど綺麗になります。

査定時の適切な説明

自動車検査証や修理記録などの関連書類を整え、査定員に自分の車の状態を正確に伝えることが重要です。

このような詳細な情報を提供するメリットは買取査定額を上げる可能性があるからです。近年、日本国内で使用されている多くの車が海外に輸出されているため、日本の厳格な車検制度や比較的少ない年間走行距離は、世界的にも非常に珍重されています。

特に、細部にわたるメンテナンスが施され、良好なコンディションを保っている車は、高価で取引されることが多いです。そのため、「サービスヒストリー」が完全に整っており、状態が良好であれば、海外のバイヤーから見ても魅力的な車両となり、高値での買取が期待できます。

整備記録簿だけでなく、点検時に発行される詳細書類も大切です。これらの書類は、適切な点検と整備が行われてきた証拠となりますので、できるだけ保管しておくことをお勧めします。

買取査定時にこれらの書類をしっかりと見せることで買取査定額があがる可能性があります。

複数社で査定

中古車の査定額は、一般的にオークションの市場価格に基づいて形成されます。これが査定の基準値となっているのです。

一方で、一部の車買取業者は店頭での販売も行っており、特にコンディションが良く人気のあるモデルなどは販売用の在庫車として積極的に集められています。こういった車は高い査定額がつきやすいのです。

また、特定の車種の買取を強化している場合やバックオーダーを抱えている場合、中古車市場で特に需要の高い車種を探している場合など、買取業者の具体的な事情によって、同じ車であっても査定額には大きな差が出ることがあります。

つまり、複数社に査定を依頼することで買取金額があがる可能性があるのです。

複数の買取業者に査定を依頼するのは手間がかかるかもしれませんが、それだけの価値はあるため、できるだけ多くの業者に査定を依頼することをお勧めします。

場合によっては十万円単位で買取金額が変わることもあります。

傷があるからといって諦めずに複数社での査定をおすすめします。

傷の修理は必要？買取前の対応策

傷の修理は必要なのか悩まれる方も多いと思います。以下で、必要なケースと不要なケースについて解説します。

修理した方が良いケース

バンパーやボディパネルの軽度なこすり傷、ホイールのガリ傷など、小さな損傷でも査定額には影響が出ることがあります。このような軽い傷であれば、修理費用が十万円以内に収まることが多く、修理することも選択肢の一つとなります。修理にはコストがかかりますが、査定時にその費用が相殺されるだけでなく、評価がプラスに転じる可能性もあります。