車買取業者のトラブルから身を守るためには? 具体例と防止策を徹底解説

車の売却を検討しつつも、ネットやニュースで見聞きするトラブルは気になるところです。しかし、事前に知識を入れておくことで、無駄なトラブルや損失を避けることができます。もちろん善良な買取業者もいるので、車の売却を考えている方は、頭の片隅に入れておきましょう。

車買取業者による悪質な手口とは？

車買取業者の悪質な手口がどんなものかイメージがつきますか？実際にあった車買取業者の悪質な手口について解説します。

査定額が市場価格とかけ離れている

車の査定額は年式や走行距離、色、内装外装の状態、修復歴などから判断するため、ある程度の相場は決まっています。しかし、ライバルの買取会社より高い査定見積を出すため、相場より遥かに高い査定額を提示してくることがあります。

こういった場合、契約後にさまざまな理由をつけて減額してくる可能性もゼロではありません。例えば、車を引き取り後に傷や汚れがあると指摘したり、市場価格が下がったため減額すると言ってくるケースです。

車の買取店によっては、二重査定と言って引取後に再査定を行うことを契約に盛り込んでいることがあります。これは、車の買取店が事故歴などの隠蔽をされて買取が行われてしまうリスクを避けるために行っていることですが、中には利益確保のために二重査定を行っている場合もあるのです。正当な理由ではなく後から傷があったなどと言ってくる業者には気をつけなければなりません。

契約を急がせる

車の買取を依頼すると「今日契約すればこの金額で契約できます。」というように急かす言葉をかけてくる場合があります。特殊な車両を除いて、時間が経つほど買取相場は下がる傾向にあります。そのため、契約を急ぐことはあながち間違えではありません。

しかし、判断の猶予を持たせないため、プレッシャーをかけることが目的の買取業者も存在します。プレッシャーをかける目的は、他の買取業者に車を見せずに独占するためです。大事な愛車を手放すのですから、焦らず心に余裕を持つようにしましょう。

クーリングオフ制度を悪用する

クーリングオフ制度は、「消費者を守るためにできたもの」という認識の方が多いとと思います。しかし内容を詳しく知らず、自信を持って反論できる人は少ないため、そこにつけ込んでくる悪徳業者がいます。

クーリングオフ制度とは、「契約の申し込みや契約の締結をした場合でも、一定の期間であれば無条件で契約の申し込みを撤回したり、契約を解除したりできる制度」のことです。

車の売買には、あらゆる手続きを必要とする契約です。そのため、十分に考えたと判断され、原則クーリングオフ制度は適用されません。また車の買取においては、車のユーザーが売り手の立場であるため、適用されないことが一般的です。

車の売買では、契約書の約款にクーリングオフは適用されないことができないことが記載されていることがあります。しかし、いくら高騰でクーリングオフについて説明され、安心して契約したとしても口約束にはなんの効力もありません。

そのため、「言った言わない」のトラブルを避けるために、必ず契約書は隅々まで確認しましょう。契約書の約款にクーリングオフ制度が適用されないと明記してあっても、キャンセルできる条件が書いてある場合がほとんどです。無用なトラブルを避けるため、事前にキャンセルの条件を確認しておきましょう。

不明瞭な手数料がある

契約した金額から金額を下げるために、契約後にさまざまな名目で手数料を請求してくる場合があります。

例えば、

査定手数料
再査定手数料
名義変更手数料
車両引き取りなどの運搬手数料

などが挙げられます。

査定額を高く出していたとしても、上乗せした手数料で利益を確保しようとしているのです。契約を結ぶ際に、見積もり金額と大きく乖離していないか、意味のわからない手数料が記載されていないか確認しましょう。

トラブル発生時の対処方法

車買取のトラブル要因は、「言った言わない」であることがほとんどです。そのため、書面などに証拠を残しましょう。詳しく説明します。

証拠を残す

「口頭では言ったけど、契約書の内容が違う」といったトラブルは後を絶ちません。例えば先述したクーリングオフでいうと、クーリングオフができると言われたが、契約書の約款には「クーリングオフはできません。」と言った内容が書いてあり、署名をしてしまっている場合です。

「クーリングオフができると言われた」と主張しても契約書に署名してしまっている以上、証拠がないと言われてしまえば不利な状況になってしまいます。録音データを残すことはなかなか難しいかもしれませんが、契約書や見積書を一筆残すことは難しくありません。「言った、言わない」という状況を作らないために、確認した点は、全て契約書や見積書に書いて残しておくことが重要です。

特に契約書の約款の説明は、しっかりと聞きましょう。契約書には備考欄のような枠がある場合がほとんどで、気になる点はこの備考欄に記述してもらってから署名する方法もあります。口頭でのやりとりは証拠にならないので、資料や録音で必ず残しておきましょう。

関係機関に相談する

トラブルが発生した際は、関係機関に早急に相談することがおすすめです。商品やサービスなどの生活全般に関する相談は、消費者生活センターで相談することができます。局番なし「188」で繋がります。

また、車の売買においては、一般社団法人日本自動車購入協会（JPUC）に相談窓口があります。JPUCは車買取業界の健全化を目指して設立された組織で、相談員は車買取業界に精通したベテラン相談員です。

どちらも相談費用はかからず、無料で相談できます。明らかに業者側に悪意があり自覚している悪徳業者であれば、相談されることを嫌うので、相談する前に一言「消費者センターに相談します。」など声をかけてみることも一つの方法です。

トラブルを避けるための予防策

大切な愛車を手放す以上、トラブルなく円滑に取引が進むことが理想です。そこでトラブルを避けるため、消費者側ができる予防策を紹介します。

事前に売却相場を確認する

愛車を高値で売却するには、現在の相場を知ることが重要です。相場を知っておくことで、高すぎる業者は減額してくる可能性を予期できます。また、その場の雰囲気に流され、相場と比較して安すぎる価格で売却してしまうことを防ぐことも可能です。

相場を知るには、複数の業者に査定してもらい見積もりをとることで大体の相場を把握できます。そのため最低でも3社には査定してもらいましょう。

複数社から査定を受け、似たような価格が提示されれば、その価格が現在の相場です。一社だけすごく高い場合は、後からの減額や追加請求がないかなど確認する必要があります。

ただし、一社だけ高いからといって悪徳業者だと決めつけてはいけません。その買取業者にとって得意な車種である可能性があるため、なぜ高く出せるのか理由を効いておくと安心です。

即決を避ける

車の買取査定をすると、「今日決めてくれたら」などと即決を促す言葉がよく出てきます。しかし、即決する必要はありません。査定額や契約内容をしっかりと理解してから締結することが重要です。

ただ、相手は買取交渉のプロです。「今決めれない理由は？」といったように、即決できない理由を一つずつ潰し、最終的に不安要素を交渉で無くすように商談を進めていきます。

そのため、「家族に相談しないと決められない」など物理的に即決できない理由を作っておくと、買取業者の話に流されて即決してしまうことを回避できます。

契約内容をしっかりと確認する

契約をする上で最も大切なことは、契約内容を「しっかりと確認する」ことです。車の売却時にユーザーがしっかりと確認すべきポイントは、

査定額は差し引きなく振り込まれるのか
後日別途手数料など請求されるものがあるのか
支払い方法や支払われる日数はいつなのか
キャンセルの条件があるのか
後日減額される可能性があるのか

などがあります。

契約書に書かれている約款には、重要な項目を説明しているので必ず確認しましょう。上記の内容は細かく確認し、必要であれば契約書に記入してもらうことがおすすめです。

買取店選びで重要なポイントとは？

買取店選びで重要なポイントは、実績と口コミがあるのか、複数の業者を比べた時に信頼できるかです。詳しく見ていきましょう。

実績と口コミの確認

業者の実績や他のユーザーの口コミを確認することで、サービスの質や信頼性を判断できます。実績や口コミは業者のホームページに載っているものや、Googleマップに口コミが載っている場合があります。

ただし、偽の口コミも存在するので一つのメディアで確認するのではなく、複数のメディアで確認し参考にしましょう。口コミの見方としては、良い口コミだけでなくあまり印象のよくない口コミがあるのかを確認することがおすすめです。ありのままの口コミは、本物の口コミである可能性が高いので信ぴょう性が高いと判断できます。