誰しも一度は「F1」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?特徴的なマシンの形状や300km以上の圧倒的なスピードから、人気を誇るモータースポーツです。「Fomula One(フォーミュラー・ワン)」という言葉が略されてF1と呼ばれています。
目次
F1とは
冒頭でもお伝えしたように、「Fomula One(フォーミュラー・ワン)」というモータースポーツを称してF1と呼ばれています。
1950年から開催されている、ヨーロッパを中心に世界中で行われるレースで、10チーム20台のマシンが300km近い距離を周回して、順位を競います。
F1という言葉だけでは広義なため、もう少し掘り下げていきます。
fomulaについて
fomulaとは、英語で「公式や式」などを表現する言葉です。また、”I have a formula for winning at ~~”.「私は、〜〜の必勝法を知っている」などの「勝利の方程式」のようなニュアンスにも使用される言葉です。
F1にfomulaが使用される背景
重量をはじめ、エンジンや排気量など、参加する車が全て同じ規定に沿って調整をする必要があるため、F1にもfomulaが使用されています。
また、「1」は、その規定に沿ったレースの最高峰を意味するということで使用されています。
そのため、その下には「F2」や「F3」が存在して、徐々にF1へと昇格していく道筋が過去にはありました。さまざまな背景があり、「F2」は消滅してしまいましたが、現在でもヨーロッパでは「F3」、国内では「F4」なども存在しています。
フォーミュラーカーとは
一般的にタイヤ(車輪)が覆われておらず、剥き出しになっている車・マシンのことをフォーミュラーカーと呼びます。
F1のルールや予選・決勝について
一般的にF1のスケジュールは、金曜日〜日曜日の間に行われます。
金曜日は、コースのコンディションやマシンのセッティングの調整を行うことが多く、タイムアタックによる記録で土曜日に予選が行われます。最終日の日曜日に決勝戦が行われます。
予選の方式
予選は、「ノックアウト方式」と呼ばれるタイムアタック方式で行われます。
Q1と呼ばれる最初のセッションで、同時に20台が走ります。その中で上位15名が次のQ2へ進むことができ、20位から16位が決定します。
その後、Q2でさらに15位から11位までが決定し、残った上位10名によりQ3が行われ全員のポジションを決めていきます。
予選のポイントはクリアラップ
F1の予選では同時に複数台が走るため、どれだけ他車に邪魔(関与)されずに無駄なく記録を伸ばせるかがポイントになります。このような他車の影響が全く無く、スムーズに走り切れた周回のことを、クリアラップといいます。
F1の世界では、0.01秒を争います。相手の車が視界に入るだけでもタイムに影響が出るほどシビアな世界です。
決勝の方式
日曜日に行われる決勝戦では、各コース300km以上の周回数を走ります。国内で会場として採用される鈴鹿サーキットで考えると、1周約6kmになるため、50周以上走ることになります。
シーズンによってレギュレーションが異なりますが、2019年に行われた決勝では「予選Q2で使用したタイヤを履く」という決まりなどがありました。
使用するタイヤによって、大きくレースを左右する要素になり、注目のポイントです。
F1に使用されるマシン
モータースポーツの最高峰とも言われるF1ですが、使用されているマシンやパーツもメーカーの洗練された技術が詰まっている一級品ばかりです。
パーツによっては、提供メーカーが定められているものもあり、シーズンごとの変化などにも注目が集まります。
タイヤ
レースの行方を左右するパーツであるタイヤも、多くの見どころが詰まっています。
F1に使用されるタイヤはフロント側(前側)は305mmあり、リア側(後側)405mmと非常に肉厚なサイズ感で構成されています
また、現在はイタリアのPirelli(ピレリ)というメーカーのみの提供となっており、契約の時期などによって今後はメーカーが変わる可能性もあります。
2019年の大会では、5種類のタイヤから毎戦3種類が指定され、柔らかいタイヤからソフト、ミディアム、ハードと種類があります。3種類を区別しやすくするために、ソフトは赤色、ミディアムは黄色、ハードは白色とラインが’入っているので、テレビなどでみていても一目でわかるようになっています。
エンジン
2013年までは「プワーン」というような甲高い音が鳴るエンジンが採用されていました。ただ、パーツのレギュレーションも時代と共に変化しており、2014年よりハイブリッドエンジンが採用されるようになりました。
ブレーキによって生まれる運動エネルギーや排気による熱エネルギーを電気エネルギーに変える仕組みが秀逸で、1000馬力もあるのに排気量は1600cc程度に収まっています。このような仕組みは市販車にも応用されています。
2022年シーズンは、日本のホンダを筆頭に、ドイツのメルセデスベンツ、イタリアのフェラーリ、フランスのルノー、の4社が各チームにエンジンとハイブリッドシステムを提供しています。
ボディ
タイヤやエンジンは、規定のメーカーによる提供ですが、ボディは各チームが開発している箇所で、個性が現れる場所でもあります。
カーボンファイバーと呼ばれる、軽量かつ丈夫な素材を使用しています。また、コーナリングスピードを高めるために、車体を下に押し付ける力(ダウンフォース)が非常にシビアで、多くのエアロパーツが装備されています。
シーズンごとにさまざまなパーツがアップデートされるので、チームごとのボディについても見どころです。
F1の見どころ・ポイント
非常に高度な駆け引きから、マシンの速さ、チームラジオなど、F1には見どころがたくさんあります。
F1をより楽しむポイントについても少し解説していきます。
スタートの緊張感
一斉にマシンがスタートする緊張感はF1の見どころの1つです。スタートはコントロールが非常にシビアで難しいポイントで、ここでうまくスタートできるか、失敗してしまうかがその後のレースに影響してきます。
タイヤによる戦略
F1のレース中には、「必ず1回はピットインして、2種類のタイヤを使用する」という規定があります。
つまり、
・ピットインするタイミング
・どのタイヤを使用するか
の2つが大きなポイントになります。
レース時の天候や路面温度などにもよってタイヤ選択は大きな要因になります。ここまでお伝えしたように、チームごとにどのような戦略を練ってタイヤを選び、どのタイミングでタイヤ交換をするのかがF1における醍醐味の1つと言っても過言では無いでしょう。
チームラジオ
F1はチームスポーツなので、マシンを操作しているドライバーと指揮を取る運営側で常にやりとりを行っています。アドレナリンが溢れているアツいドライバー側と、冷静になって欲しい運営側で揉めることもしばしば…。
シーズンオフには、面白いやりとり集などの特集が組まれるくらい人気のある要素です。
ぜひ、こういったやりとりにも注目してみてください。
スムーズなピットイン作業
先ほどもお伝えしたように、レース中にはタイヤの交換が義務付けられています。0.01秒を争う世界のF1では、このタイヤの交換作業が恐ろしく早いのです。
平均的には、「マシンが止まる▷タイヤを交換▷レースに戻る」までの時間は約3秒程度といわれています。2019年にブラジルで行われた大会では、レッドブルチームが1.82秒でタイヤ交換をするという偉業を成し遂げています。
作業の速さにも目を奪われますが、作業に携わる作業員の無駄のなさやドライバーとの阿吽の呼吸は間違いなく、F1における見どころの1つでしょう。
押さえておきたいF1の有名ドライバー
F1にも数々のスターが存在し、常に新しいホープも頭角を表しています。そんな中で、押さえておきたい有名スターを取り上げて紹介いたします。
アイルトン・セナ
F1史上、最も偉大なドライバーの1人として欠かすことのできない選手がアイルトン・セナ・ダ・シルバ(アイルトン・セナ)です。
ブラジルのサンパウロ出身で、F1優勝回数は41回(歴代1位)、ポールポジション65回獲得(歴代1位 予選で最速タイムのドライバーが決勝で先頭のスタート位置に立つことをポールポジションといいます)、モナコGP5連勝(歴代1位)など、輝かしい実績を誇ります。
1994年にイタリアのサンマリノGPでトップを走っている時に壁に衝突してしまい、そのまま帰らぬ人となりました。34歳という若さでこの世を去りますが、その強さと魅力は今も衰えることなく、若いドライバーたちに語り継がれています。
ミハエル・シューマッハ
歴代2位の最多勝利数を記録しているのが、ドイツの英雄ミハエル・シューマッハです。
フェラーリに移籍後、5年連続でドライバーズチャンピオンを獲得・48勝という偉業を成し遂げ、フェラーリのアイコンカラーでもある赤にちなんで「赤い皇帝」などと呼ばれていました。
前述したアイルトン・セナともライバル関係にあり、接触事故や進路妨害など、ヒートアップする場面も多くあり、2人の間には大きな溝がありました。
しかし、セナの死後6年が経過した頃にシューマッハはセナの41勝に並び、記者からセナについてを問われると泣き崩れました。表沙汰ではセナの葬儀にも参列しなかったシューマッハがこのような姿を見せたことは、多くのF1ファンの心を打ちました。
ルイス・ハミルトン
イギリス出身のルイス・ハミルトンはF1の歴史において、最も成功したドライバーといっても過言ではありません。これまでの優勝回数は100勝を超えており、3桁数の優勝を積み上げたのはハミルトンだけです。
ハミルトンは、勝つためにストイックな姿勢が魅力的で、レース中に下位集団に沈んでも常に全力で走ります。
また、優れた反射神経や身体能力による絶妙なコーナリングも凄まじく、機械のような正確なドライビングテクニックが魅力的です。
見どころを抑えて、楽しいF1ライフを
ここまで、「F1とはどのようなものなのか?」についてさまざまなお話をしてきました。
いきなり全てを理解して観戦するのは難しいとは思いますが、タイヤの選定や、ピットインの動きなど、注目するポイントを少しに絞って観戦することで、小さな面白さを積み重ねていけるでしょう。
最新情報をお届けします
Twitter で最強買取jpをフォローしよう!
Follow @saikyoukaitori